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第六章.逆行した世界で
21.習慣
しおりを挟む試験も終わり久しくお茶会をする最中。
何時も飲んでいたお茶と違っていることに気づいた。
「あれ?このお茶…ハーブ?」
「新作ですの」
セレシアが淹れたお茶は紅茶に限らず種類は多様だった。
今日は珍しくハーブだったが、酸味が聞いていてすごく美味しいと感じた。
「なんだか、すごくすっきりする」
「今、我が領地で開発中なのですが、是非マリー様に味を見て欲しかったのです」
「フーン」
未だに新商品ができれば、必ずマリーに飲んでもらっていた。
既に茶葉を開発するのに、セレシア一人で大丈夫だと何度も言っているのだが、どうしてもと言われる。
「でも本当に美味しいね」
「ありがとうございます。紅茶とは異なり、ハーブは免疫力を上げますし。改良して病気の予防ができればと思ってますの…普段から飲んでいただている紅茶もそうですのよ」
「だから私は元気なのね」
領地にいた時もそこまで体調不良になることはなかったが、こうしてお茶を飲むようになってから元気になった気がする。
(そういえば、時が戻る前は良く風邪を引いていたのよね)
子供の頃は丈夫だったが、今の年齢ぐらいから熱を出すことが増えだした。
その翌年には風邪をこじらせてベッドの上で生活する日々が続き、不治の病にかかってしまったのだから。
(でも、私は王都に来てから病気なんてしたことがないわ…どうして?)
寮に戻って調べものをするとあることが解った。
「あれ、この病…」
寮内にある医学書を引っ張り出しながら数年後に自分がかかる病を調べていた時だった。
ページをめくると隣国でも似たような症状が出ている病があるのだと気づく。
「私の症状と似ている。でも、隣国でも同じ病…五十年に一度の災害により作物が取れない時期に襲われる?」
他の本を調べてみると共通しているのは共に作物が取れにくく、特に果物が食べられない国ばかりだった。
「もしかして私の病は栄養不足が問題だったのかな?」
良く思い出してみれば、逆行する前の時期。
領地では不作の日々が続き、果物や野菜が不作に見舞われていた。
それでも飢える事はなかった。
全ての果物や野菜ができないわけではないが、本にも書かれている発症した国の住民はレモンにオレンジなどの柑橘系の果物が不足していた。
他にもキャベツなどの生で食べる野菜も。
「一説には栄養不足…これって」
マリーになる前の記憶に似た病気があった。
「壊血病…」
その可能性はあるのではないだろうかと思う居ながらもマリーは他の医学書をすべて引っ張り出して調べることにした。
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