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第四章.魔法学園
5.クラス
しおりを挟む教室に行くと、何故か視線が痛かった。
「何故に?」
マリーはどうしてこうも見られているのかが解らなかったが入試の時に受験票を紛失した失態の事で悪目立ちしているのかと思った。
まぁ、今さら気にすることもない。
アンナは別のクラスなので、教室で一人だったのだが…
クラスメイトの視線が重なり、挨拶をする。
「お隣よろしいですか?」
「あっ…はい、どうぞ」
自分の席を見つけ、静かに座る。
その間、リリアンヌやアンナから渡された手帳を取り出す。
学園内でしてはいけないことがびっしり書かれており、読み返していた。
「はぁー、こんなにいいのに」
パラパラと手帳のページをめくりながら、学園にいる間はお小言代わりだとも思っている中、机には愛読書の錬金術法則を置く。
「やっぱりこっちの方が良いわ」
百科事典並みに分厚い本には付箋が張られており、何回も読み返していた。
古代文字で書かれているが、マリーは古代文字も習得しているので読むのに苦労しなかったのだが、背後から声をかけられる。
「相変わらず勉強熱心ですわね」
「ジョアンナ様!」
後ろからジョアンナから声をかけられ驚く。
同じ学年で特別科であることは聞いていたが、ジョアンナの場合はSクラスのトップクラスの方だと思っていた。
同じ特別科でも、格付けがあったはずだ。
「ジョアンナ様の同じクラスだったんですね」
「私は魔法科ですけけれどね?やっぱり貴女は錬金術科を専攻なさいましたわね」
「魔力が少ないので」
恥ずかしそうに言うも、ジョアンナはマリーに顎を優しく触れながら持ち上げる。
「謙虚なのは貴女の美徳ですが、もう少し自身をお持ちなさいな」
「へ?」
「貴女は優秀ですわよ」
ジョアンナの大胆過ぎる行動に悲鳴が上がる。
「「「きゃぁぁぁぁ!!」」」
「は?」
さっきまで静まり返っていた教室に黄色い悲鳴が響き、驚く。
「氷の女帝が笑顔を向けて…」
「ジョアンナ様とマリー様は禁断の関係だったのね!」
一部の女子が頬を赤らめながら危険な発言をしていた。
「お二人共…周りを見られた方が」
「ズルいですわジョアンナ様!私も入りたい…」
「ロザリア様、しっかりなさってください!」
遅れて教室に入って来たセレシアとロザリアだった。
何故か幼馴染メンバーは同じクラスだった。
「皆さん、同じクラスでしたの?これから楽しめそうですわ」
彼女達に気づいたジョアンナは怪しくも美しい笑みを浮かべるのだったが、その後アレクシスが頭を抱えたのは言うまでもなかった。
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