婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!

ユウ

文字の大きさ
上 下
102 / 111
第四章幸福と不幸は紙一重

24.効果的な攻撃方法

しおりを挟む





社交界では女の敵は女と言われるように、フレイアは女同士の戦いを熟知していた。

直情的な性格はあれど、お茶会や王族主催のパーティーに参加する時に決まって、女同士の戦いが行われる。


貴族令嬢たるもの、常に感情を表に出すことなく相手の弱点を叩け。
これは、叔母である王妃の言葉でもあった。


その為、自尊心の塊の貴族令嬢を打ち負かす手段として叩き込まれたのは、精神的な苦痛だった。

肉体的な苦痛ではたいしたダメージは与えられないが、自尊心を傷つける程効果的な方法はないのだ。

特にアイシャのように自分が特別だと思う女性にはどうしたらいいか解っていた。



「マジカルミラー…この箱の中は全て鏡でできているのよ」


特殊な鏡を使い、ある魔道具師が作った特殊な箱だった。
入射した光の一部を反射し、一部を透過させる。

しかも、箱の中では前後、左右に自分の姿が映し出されているので、何処を見ても自分の姿しか見えない。


そこに仕掛けがある。


「お前はなんて腹黒いんだ」

「あら?なんのことかしら?あの女は自分のことが大好きですもの。だから存分に今の自分の姿を堪能させてあげたのよ…坊主になった姿をね?」

「見たくない姿を見せられてか」

「フフッ…あの品のない悲鳴。滑稽だわ。映像に残しておきたいぐらい」


悪女という言葉が存在するならば、誰よりも似合うだろうと心から思うフレディーはゾッとした。


「冷や汗なんてかいてどうしたの?この程度で怯えるなんてヘタレよ」

「俺はお前の腹黒が本当に恐ろしいよ」

「ハッ、この程度。ハイジが受けた苦痛に比べれば甘すぎるわ!」

鼻で笑いながら言うも、フレイアは気が済んでいなかった。


「あの女はこれまで、誰のおかげで学園でも社交界でも偉そうにしてられたと思っているの?そんなことも知らずに調子になり過ぎたのよ…なんの努力もなくね!」

「それは…」

「本来ならさらし首にしてやりたいけど、この程度にしてあげる私は優しいじゃない?」

「優しいか?」


命があるだけましなのかもしれないが、人によっては死んだ方が良いと思うのでは?と思ったが深く追求しても無駄だと思ったのでそれ以上を言うことはない。


「とりあえず気絶しているこの女は縄で縛って吊るすわ」

「おい…」


「馬鹿女の次は馬鹿男に裁きを下さないとね?」

アイシャへのお仕置きは終わり、次の標的に視線を向けた。

しおりを挟む
感想 291

あなたにおすすめの小説

妹ばかり見ている婚約者はもういりません

水谷繭
恋愛
子爵令嬢のジュスティーナは、裕福な伯爵家の令息ルドヴィクの婚約者。しかし、ルドヴィクはいつもジュスティーナではなく、彼女の妹のフェリーチェに会いに来る。 自分に対する態度とは全く違う優しい態度でフェリーチェに接するルドヴィクを見て傷つくジュスティーナだが、自分は妹のように愛らしくないし、魔法の能力も中途半端だからと諦めていた。 そんなある日、ルドヴィクが妹に婚約者の証の契約石に見立てた石を渡し、「君の方が婚約者だったらよかったのに」と言っているのを聞いてしまう。 さらに婚約解消が出来ないのは自分が嫌がっているせいだという嘘まで吐かれ、我慢の限界が来たジュスティーナは、ルドヴィクとの婚約を破棄することを決意するが……。 ◆エールありがとうございます! ◇表紙画像はGirly Drop様からお借りしました💐 ◆なろうにも載せ始めました ◇いいね押してくれた方ありがとうございます!

もういいです、離婚しましょう。

うみか
恋愛
そうですか、あなたはその人を愛しているのですね。 もういいです、離婚しましょう。

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜

みおな
恋愛
 大好きだった人。 一目惚れだった。だから、あの人が婚約者になって、本当に嬉しかった。  なのに、私の友人と愛を交わしていたなんて。  もう誰も信じられない。

婚約白紙?上等です!ローゼリアはみんなが思うほど弱くない!

志波 連
恋愛
伯爵令嬢として生まれたローゼリア・ワンドは婚約者であり同じ家で暮らしてきたひとつ年上のアランと隣国から留学してきた王女が恋をしていることを知る。信じ切っていたアランとの未来に決別したローゼリアは、友人たちの支えによって、自分の道をみつけて自立していくのだった。 親たちが子供のためを思い敷いた人生のレールは、子供の自由を奪い苦しめてしまうこともあります。自分を見つめ直し、悩み傷つきながらも自らの手で人生を切り開いていく少女の成長物語です。 本作は小説家になろう及びツギクルにも投稿しています。

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。 一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

婚約破棄されなかった者たち

ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。 令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。 第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。 公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。 一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。 その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。 ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるイルリアは、婚約者から婚約破棄された。 彼は、イルリアの妹が婚約破棄されたことに対してひどく心を痛めており、そんな彼女を救いたいと言っているのだ。 混乱するイルリアだったが、婚約者は妹と仲良くしている。 そんな二人に押し切られて、イルリアは引き下がらざるを得なかった。 当然イルリアは、婚約者と妹に対して腹を立てていた。 そんな彼女に声をかけてきたのは、公爵令息であるマグナードだった。 彼の助力を得ながら、イルリアは婚約者と妹に対する抗議を始めるのだった。 ※誤字脱字などの報告、本当にありがとうございます。いつも助かっています。

処理中です...