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第四章幸福と不幸は紙一重

7.辺鄙な港

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その後すぐに四人は国を出る為に計画をした。
お金がない彼らは、持ち家に庭を売って、旅費にして船を手配しようとしたが、豪華客を手配することは叶わず、安い貨物船に乗ることになった。


豪華客船は身元が怪しい者はチケットを手に入れることはできない。
手続きの時点で、審査で引っ掛かるのでやむを得ず貨物船で耐えることになったのだが、慣れない船旅は悲惨だった。


ようやく港に到着したと思えば、王都からはかなり離れていた。


「ここは何処?」

「王都ではないのか?おい、そこの者!」

とりあえず通行人に道を聞こうとしたが…


「ぬーが用が?」

「何?」

本島のにんげじゃないな?お前達、物好きだな本島ぬにんじんやあらんやー。ぃやーら物しちやんやー


「なっ…何を」

通行人を引き留め道を聞こうとするも、相手は酷い方言で言葉が全く分からなかった。


「なっ…なんて言っているのかしら」

「貴方、まさか、国を間違えたんじゃないの!」

「そんなはずはない!カルフェオン国行きの船はこれでいいはずだ!おい、ここはカルフェオン王国だろ!」

焦りながらグフタスは必至で尋ねる。
相手は少しだけ困った表情をしながらも頷いた。

一応国内だが、ここは西側で国の先っちょだぞ?一番外れだ。一応国内やんしが、くまー西側っし国ぬさちんじちょどー?一番外りやん


王都住まいの彼らは知らなかった。
例え同じ国内でも中央と地方では雲泥の差があり、地方によっては訛りが酷い。

あげく国から国まで海を渡っても、何度も乗り換えをしなくてはならない。
貨物船等は辺境地から別の船に乗り換えなくてはならないことも気づかずいたのだ。


「よし、一応カルフェオン王国であることは間違いない」

「じゃあ、急いで島に」

「ああ、島に行きたい。ここからどう行けばいい?一番大きな南の島だ」


グフタスは語学が堪能ではないが慣れないカルフェオン語を使って話しかけるも。


相手は発音の悪さに耳を傾けながらも必死で傾聴した。


「島か?」

「そうだ!早く教えんか!この鈍間が!」

「ノロ?」

「ああ!」


イライラしたグフタスはさらに失態を犯した。

この島ではノロとは女祭司を意味していた。
そんな場所に行きたいということは、出家を願う者達が話を聞いて欲しいという事情を抱えた者に違いないと思った。


そうか祝女に会いたいんだな!任せてくれ!そうが祝女んかいいちゃいぶさるどーやー!任ちくぃー!

「ようやく解ったか。馬鹿が多い国だな」

「でも、馬鹿のおかげで案内してくれるんだもの。ノロマだけど助かったわ」

「ええ」


一行は気づかずにノロノロと連呼している所為で勘違いされていた。
余程、女祭司に会いたいのだと。


しかもこの島の女祭司はすべて老婆で、従う巫女達も100歳まじかのご高齢であるのことを知るはずもなかった。

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