婚約者に冤罪をかけられ島流しされたのでスローライフを楽しみます!

ユウ

文字の大きさ
上 下
79 / 111
第四章幸福と不幸は紙一重

1.他国の医師達

しおりを挟む



リゾート地の計画により、十分な資金を調達することが叶った後に、カスメリア島には多くの医師を集めることが叶い、現在は診療所と病院施設を設けることに成功した。


派遣された医師は国外の医師に限定した。
特に、こだわったのは女性医師を複数派遣して欲しいとのことだった。


未だに男尊女卑が激しく、女性が君主を務める国では色々と問題が生じている。

そこで名乗りを上げたのがフレディーの祖父でありケニスワールの父でであるエドモンドだった。


大国であるアルテリアと友好的な関係を結んでいる国に女王が国を治めている国がある。
未だに女性が王位に就く事を良く思っていない臣下も多く。

女王が女性の地位向上を目指すも、賛同者が少なく悩んでいるとのことだった。

女性でありながら医師として活躍しながらも、孤立している女医。
事業をしている女商人等も、苦しい思いをしていると聞かされたアーデルハイドは彼女達を島に受け入れ、その才能を生かして欲しいと思った。


交渉の結果、女王陛下は快く了承し。
男尊女卑を絶対だと思う臣下も厄介者払いができると思い、快く了承してくれた。


そのおかげで、早い段階に診療所や病院に腕の良い医師を招くことができた。



今日は彼女達を迎える日だった。



「ようこそおこしくださいました。オルランド王国の皆様」

「この度は、誠にありがとうございます。不自由をおかけいたしますが、どうかよろしくお願い申し上げます」

「どうか、よろしくお願いしたします!先生!」


アーデルハイドを筆頭に島の住民は大勢で迎え頭を下げる。


「どうか、頭をお上げください。皆様」


大勢で出迎えられ、エルランド王国から来た医師や他の女性達は驚くばかりだった。
祖国ではまず、こんな丁寧な扱いは受けないし、大勢で出迎えられるとは思っていなかった。


「私はジャン・ブランターノでございます。こちらに控えておりますわ、この島のご意見番のアーデルハイドとその夫のフレディーでございます」

「ブランターノ?まさか、我が国と貿易をなさり、勅使として足をお運びなっていらした子爵様ですか」

「私は元平民でございます。どうか、かしこまらないでくださいませ」


ジャンは、ひと月前に領地改革の功績により爵位を上げられることになった。
現在は男爵から子爵になり、出世をしていた。


「我が国に薬草を売ってくださったおかげで患者は救われたのです」

「薬草の採取は私ではなく、彼女です」

「こんな若い方が…」


筆頭である女医はアーデルハイドを見て驚く。
てっきりもっと年配の老人だと思い込んでいたのだから。


「我が領地は、少し前までは何もない島にすぎませんでした。貧しく豊かではなかったのですが、彼女の手腕により島は変わりました。今ではカルフェオン王国一の食の宝庫と呼ばれている程です」

「まぁ…女性が?」

「他国の事は存じませんが、我が国は男尊女卑はあまりありません。実力主義です。特にこの島は女性が元気でしてね…男の方が弱いですよ」


ジャンの言葉にオルランド王国から来た女性陣は驚く。
女性の立場が余りにも弱かった国からすれば当然だったのだから。

「ですが、島の住民は知識が乏しく、教養を持ち物が少ない。故に先生方のお力をお貸しいただきたいのです。大変優秀な方とお聞きしておりました。先生方にはこの島で教鞭も振るっていただきたく思います」


「まぁ…それほど私達を」

「光栄ですわ」

医師と一緒に派遣された教師達もここまで必要とされることはなかったので嬉しそうにする。


「どうか、末永くお願い申し上げます」

「「「お願い申し上げます」」」


出迎えた住民はそろって頭を下げ、オルランド王国から来た女性陣も頭を下げた。


しおりを挟む
感想 291

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します

けんゆう
恋愛
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」  五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。  他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。 だが、彼らは知らなかった――。 ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。 そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。 「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」 逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。 「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」 ブチギレるお兄様。 貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!? 「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!? 果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか? 「私の未来は、私が決めます!」 皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

言いたいことはそれだけですか。では始めましょう

井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。 その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。 頭がお花畑の方々の発言が続きます。 すると、なぜが、私の名前が…… もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。 ついでに、独立宣言もしちゃいました。 主人公、めちゃくちゃ口悪いです。 成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。

【完結】元婚約者の次の婚約者は私の妹だそうです。ところでご存知ないでしょうが、妹は貴方の妹でもありますよ。

葉桜鹿乃
恋愛
あらぬ罪を着せられ婚約破棄を言い渡されたジュリア・スカーレット伯爵令嬢は、ある秘密を抱えていた。 それは、元婚約者モーガンが次の婚約者に望んだジュリアの妹マリアが、モーガンの実の妹でもある、という秘密だ。 本当ならば墓まで持っていくつもりだったが、ジュリアを婚約者にとモーガンの親友である第一王子フィリップが望んでくれた事で、ジュリアは真実を突きつける事を決める。 ※エピローグにてひとまず完結ですが、疑問点があがっていた所や、具体的な姉妹に対する差など、サクサク読んでもらうのに削った所を(現在他作を書いているので不定期で)番外編で更新しますので、暫く連載中のままとさせていただきます。よろしくお願いします。 番外編に手が回らないため、一旦完結と致します。 (2021/02/07 02:00) 小説家になろう・カクヨムでも別名義にて連載を始めました。 恋愛及び全体1位ありがとうございます! ※感想の取り扱いについては近況ボードを参照ください。(10/27追記)

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね

ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

処理中です...