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第三章栄華が終わる時
18.幸せを掴む努力
しおりを挟む島全体の改革は上手く行っているが、それだけでは問題点が多かった。
こんな辺境地に住む平民は学がなさ過ぎたのだ。
文字を読めても書けるない者も多くいる。
また文字すら読めない者も少なくないので、基礎知識を増やすためにも次なる作戦に出ることにした。
「この島を他国の学ぶ場にするには、まずは島の住民が教養を持たなくてはなりません!」
「いや、ハイジ。言っていることは解るが」
「教養の高い女性が、はしたないと言われる時代はもうすぐ終わります。他国では平民の革命を起こしていると言うではありませんか!」
「大きな声で言うなよ!」
重税により国民が革命を起こした話は過去にも幾つかある。
カルフェオン王国はそんな兆しはないが、先の先を読んでおく必要がある。
「これかの世は女性も前に出るべきです。賢く美しい女性の基本は教養。島の女性は気立ても良く体力もあります。そこに教養も合わされば言うこと無し」
「いや…言っている事は間違っていないが」
「何より、今の教育機関はしょぼいですわ!教育に関しては女性の方がずっと有能ですし。これからの世の中、食育は必要です!」
「ショクイク?」
聞きなれない言葉が飛び通うも基本大らかな島の女性は気にしなかった。
「でも…実は言うと私…教師になるのが夢だったんだよ」
「そういや、アンタは都会の学校にいたんだったね」
島に嫁いできた女性の中には訳ありな女性も多かった。
都会に住んでいたが、事情があって移民してきた者や親が体を壊し、島に戻らざるを得なかった者。
「島だからって諦める必要はありません。夢があるなら叶えましょう」
「そうだね…今からでも間に合うよね」
「私はパン教室を開いて、子供達にもパン職人の素晴らしさを知って欲しいんだ」
「私は旦那の硝子職人の技術を広めたいんだ」
夢は膨らみ、諦めた昔の夢を思い出す。
「やるよ!」
「「「おおお!!」」」
アーデルハイドの暴走は止まらず島の女性陣を巻き込みさらなる計画が進められることになった。
「やりたい放題だな…とりあえず父上と母上に連絡するか」
自由過ぎる妻がいるとサポートする側の夫は苦労するのだったが、アーデルハイドのバイタリティーを嬉しく思いながらフレディーは精一杯支えようとも思った。
数か月後、カルフェオン王国一のバカンスの地として他国からの評価は良く、黒字となり。
カメリアで診療所を設立する許可と、学校を作る許可を得て。
大工ギルドの協力を得て学校を設立する計画が前向きに行われた。
そしてその学校は貴族が通うような学校ではなく専門技術を学ぶいわゆる専門学校を設ける計画と立てた。
中央と異なり、貧しい土地に普通では学べない学校を設立して貴族よりも裕福な商人の子息や息女を迎えて学ぶ場にすることで双方に利益を齎す計画を立てた。
教員に関しては引退して現役を退いた王都の貴族院の教師に声をかけ。
アーデルハイドが言葉巧みに口説き、尚且つステラの手助けと王妃の推薦状を持ってして快く引き受けてもらうことができ。
翌年には本格的に実行されるようになった。
全てが順風満帆だった。
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