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第四章未来への扉
11.盲目だった過去
しおりを挟む一体何がどうなっているんだ!
フェルミーナは修道院に送られたはずだ。
なのに何故!
「どうしてって顔をしているわね?フェルミーナ様は、見習いシスターでありながらも聡明で優れていた事から平民、貴族問わず愛されていたのよ」
「馬鹿な…そんな!」
「まぁ、アンタは知らないでしょうね?だって自分だけ悲劇だと嘆き、酔いしれていたのだから。あの方がどれだけ優れているかも知らなかったんじゃないかしら」
ただ地味で真面目だけが取り柄の女としか思っていなかった。
なのに…
「もう一つ教えてあげる。フェミリーナ様に求婚したのは侯爵様よ」
「なっ…馬鹿な!」
「本当よ?あの方は人付き合いが苦手で、教会に通いながら、フェルミーナ様に悩みを聞いてもらっている内に恋をしたそうよ…その時既に病を患っていたフェルミーナ様に求婚して二人は結婚したの」
「母は病を患いながら私を生んだのよ…幸せだったと言ってね。でも、社交界で母が元婚約者に酷い仕打ちを受け、人生を狂わされた事を知ったわ。だから私はアンタ達を復讐してやろうって思ったの」
「そっ…それは」
私の所為ではないだろう!
仕方なかったことだし、フェルミーナだって何も言わなかっただろう!
「フッ、納得してない顔ね?自分は悪くないとでもいいたげね?だとしても詫びの言葉ぐらいあってもいいはずよ。悪いと思う気持ちがあるなら、せめて母の名誉を守ることもできた…でもしなかった」
「ちがっ…」
「何が違うの?せめて婚約解消にしてさえくれれば、母はここまで苦しまなかった。何故婚約破棄をしたの」
逃がさないと言うような目で睨まれ、私は上手くしゃべれない。
「婚約解消では外聞が悪いからよ」
「ベアトリス!」
「婚約解消は互いに問題がない場合、でも婚約破棄は一方が問題がある場合、この男は自分の保身のために、フェルミーナ様に非があるように仕立てる必要があったんですもの」
階段から灯が見え、降りて来たのは美しく着飾ったベアトリスだった。
「なっ…何で!」
「ごきげんよう?罪人さん」
「その装い…」
「素敵でしょ?私は女伯爵として相応しい装いよ。男装の麗人ぽくデザインしたの。これよりシャリエール家の領地は全て私の物となるの」
我が領地がすべてベアトリスの物だと!
「そんな…」
「貴方が無能で助かったわ。マリアナも知識もなく商売に手を出してくれて助かったわ。おかげで簡単に商会潰したり、優秀な領地の使用人達を勧誘で来たわ。本当に感謝してますのよ」
「貴様…悪魔か」
「小悪魔?誉め言葉ですわね」
本当の悪魔は、血の繋がった娘だった等、どうして信じられようか。
「気でも触れたか」
「私は元から伯爵家の地位は無理やり奪うつもりだったわ。だって無能な人間が跡継ぎになったら領民が迷惑ですもの…でも、最初はその気はなかったのよ」
「ならば何故!」
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光だと?
何を言っているのかまるで解らなかった。
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