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第四章未来への扉
2.似た者同士
しおりを挟む婚約式のお披露目も終わり、結婚式までの間は王宮に留まることになっていた。
女伯爵となったベアトリスも王宮に出入りする事が多くなり、現在はウォルト商会を広げ、新しいコルセットを売り出し、売れに売れていた。
今では資産家としても成功していた。
「ベアトリス、なんて華やかな」
「ありがとうお姉様?でも、このドレスの宝石はイミテーションよ。普通の宝石と間違う程綺麗でしょ?今年の流行はこれに決まりだわ。隣国に高く売りつけてるわ」
「相変わらずだな…君の商売への情熱には負けるるよ」
「国が貧しければ戦になりますわ。何より他国に脅しをかけるにも、我が国の財力が底知れないと示さなくてはなりませんので」
「そうね」
ドヤ顔で言い放つベアトリスは日に日に逞しくなっていく。
今では男顔負けで、高位貴族にも物怖じせずに対抗している程だった。
「しかしあまり派手に動き過ぎては」
「あら?お姉様。私が狸さん達の弱みを握ってないとでも思って?貴族派の残党を野放しにするはずないでしょ」
「たっ…狸」
「出る杭は打つわ。二度と歯向かえないようにね」
心なしかニコルに似て来たのではないかと思うのは気の所為じゃない気がするわ。
「末恐ろしいと言うか…兄上に負けてないな」
「光栄ですわ」
姉として頼もしいのだけど、あまり敵を作らないで欲しいわ。
「私の事はいいのですわ。それよりもお姉様のウェディングドレスですわ」
「え?」
「王妃陛下から私もお姉様のウェディングドレスの制作に携わる許可をいただきましたの」
でも、私の着るドレスは決まっていたはずよね?
「ドレスにアレンジを加えるのだな?王妃陛下も先代王妃のドレスに少しだけ手を加えていたからな」
「そうなんですか?」
「ああ、そうでなくては型崩れしているからな」
伝統的なドレスと言えど、デザインが古いとの事だった。
私はそのままでも十分素敵だと思ったのだけど、何故かテーブルに置かれたのはデザイン画だった。
「さぁ、お選びになって!マルガリーテ様様と一緒に考えましたの。もちろん首飾りは最高級の真珠を使ったネックレスがお勧めよ」
「えっ…」
かなり大きな真珠のネックレスだった。
しかもこのネックレスについている真珠って…。
「この真珠一つで島一つ買えるんじゃ」
「そうなのですか!」
ジルベルト様が冷や汗を流しながら言うも、ベアトリスの次の発言で私は仰天した。
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