偽りの家族を辞めます!私は本当に愛する人と生きて行く!

ユウ

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第三章.高潔の条件

23.脅威

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私を睨みつけるマリアナは体に黒い風を纏っていた。


「アンタの所為で!!」

「オリヴィア!」


マリアナが私に魔法で攻撃を仕掛けて来たが寸前の所でジルベルト様に救われ、怪我はなかった。


「オリヴィア!」

「大丈夫です」


ジルベルト様に抱きかかえられ、皆の元に戻る。

「この剣がなかったら無傷で救えなかった」

「それは…」

「聖剣だ。女神様より初代国王が授かった代物で、王から賜った」


見事な細工がされている鞘に、剣は強い光魔法を感じる。

「しかし…あの魔力は」

「ええ、どうして」


黒い風がマリアナを包んでいる。
風そ族性の魔力を持っていても、そこまで強力な魔力は使えないはず。


「お二人共お怪我は!」

「無事か!」


私達に駆け寄ってくださったアレキサンドロス様とベンノ様。
他の皆さんも心配してくれた。


「殿下、危険な振る舞いはお止めください」

「そうだぞ、オリヴィアの周りには障壁で守っているのだからな」

「解ってますが、心配だったのです」


聞けば、今日のパーティーで何が起きるか解らないので念の為に私の周りに障壁で守っていたとのこと。


流石というか、なんというか。


「しかし、マリアナ様は心を魔に支配されたのでしょうか?」

ナウシカ様がマリアナを見ながら告げる。
明らかに正気ではないと思う皆様も表情が険しかった。


「いいえ、完全に支配されているとは思えません」

「ええ、私も同感です」

お姉様とマルゲリータ様がマリアナをの方を睨みながら告げる。


「憎しみで魔力が悪に染まっていますが、マリアナ様の本心でしょう。風とは時に変わるのです」

「元はしょぼい風でしたので、些細な事で黒い風になってしまったのでしょう。元から自制心の欠片もなかった方ですからね…何時魔力を暴走させてしまうか心配はしてましたが」

「子供並みですわね…いいえ、子供に失礼ですか?癇癪を起して、自分の思い通りにならないなら、壊してしまえばいいと思うとは浅はかな」


「ハッ、身の程を弁えろというのだ」

「それができたら、ジュリアス様と婚約破棄になっていないでしょう」


皆様、言いたい放題ですね。
この状況はかなりまずいと言うのに、どうしてここまで余裕があるのか疑問を抱く。


「心配ありません」

「ナウシカ様?」

「壊れた柱は、私の修復魔法で既に元通りですから」


天井を見ると、何時の間にか修復されていた。

壁に傷が所々あるが、第二災害は防がれていたので安堵をしたが、風は私達を狙っていた。

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