偽りの家族を辞めます!私は本当に愛する人と生きて行く!

ユウ

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第三章.高潔の条件

3.お茶と侵入者

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復学してしばらく私は悪目立ちしていた。
教室でも居心地が悪く、今は休日で学校は基本休みで私は学園内の敷地内で生徒会役員だけが利用できる温室にいた

休みが終わったら、本格的に噂のネタにされるのが目に見えていた。

「オリヴィア、お茶にしましょう」

「お姉様」


屋上の温室で一人本を読んでいたら声をかけられた。


「お茶の準備をしましたわ。一緒にいかがです?」

「正確にはマリアさんですわ」

「ナウシカ様、貴女は私に嫌味を言わないと気が済みませんの?」

「事実ですわ」


憂鬱な気分だった私だけど、二人のおかげで少しだけ気持ちが明るくなった。


「リヴィア様、顔色がよろしくありませんが…大丈夫ですか」

「マリア」

私を気遣いながらお菓子とお茶の用意をしてくれる。

しかも何故かクッキーが私の分だけ多く、マリアの思いやりを感じる。

「まぁ、マリアさんったら」

「無粋ですわよ。ナウシカ様」


二人が微笑ましく見守る中、今日は男性陣は席を外している。
マルガリーテ様もお家の商会の事で参加できないのが残念だだったけど、またの機会を待とう。


「わぁー、すごく美味しい」

「マリア様、腕を上げられましたわね」

「本当に」

「ありがとうございます」

マリアはお菓子を作るのがすごく上手だった。
お茶を入れるも最近は上達して、侍女顔負けなんじゃないかと思うほどだった。


「お茶の入れ方はリヴィア様が教えてくださって」

「まぁ、この中で一番お茶を入れるのが上手ですもの」

「ええ、間違ってもサマンサ様のお茶は魔茶ですもの」

「失礼ですわね」


ああ、確かに。
何でもできるお姉様は家事はアウトだった。

貴族令嬢なのだからする必要はなくとも、茶道の嗜みは必要なのだけど。


「どうして赤い紅茶が黒くなるのか不思議ですわ」

「そういうナウシカ様の淹れたお茶は灰色ではありませんか」

「あれは芸術ですわ!」


飲めば幻覚が見えるから、できれば飲みたくないのだけど。


「でも、今日のお茶は紫になりましたわ!」

「ナウシカ様、何故お茶がグツグツしてますの?」

淹れたのね、ナウシカ様。


しかも紅茶は赤色なのに、どうして?


「あの…新種の茶葉ですか?」

「あら、マリアさんったら。これはアールグレイですわ」

「余計おかしいですわ!どうしたら紫に…次は黒く染まりましたわ!」

飲んではいけないと私の本能が告げていた。


「とにかく…」

このお茶を処分しようとした時だった。


「オリヴィア!出て来い!!」

「お待ちください!!」


「ええい!無礼者が…俺を誰だと思っているんだ!」


温室の外で口論する声が聞こえた。


「なんですの?」

「この不愉快な声はあの馬鹿ですわ」


お姉様とナウシカ様が舌打ちをし、マリアが私の腕に抱き着く。


声の主は解っていた。




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