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第二章.新たな婚約
18.空虚なお姫様
しおりを挟む取り巻きだった令嬢は既にマリアナを切り捨てるつもりだった。
だとしても彼女達がした行為は消えない。
だが、今の現状を認められないのか、私を睨みつける。
「こんなのありえない…」
「真実から目を反らすのは結構ですが、事実ですわよ」
「どうしてオリヴィアなんかがジルベルト様の婚約者なの?ありえないわ…身分違いにも程があるわ!」
納得できないと叫ぶも、サマンサ様は一歩前に進み説明した。
「彼女は正式に我が公爵家の養女に迎られています。手続きもされていますわ」
「そんな話、聞いてない!」
「証拠もありましてよ?前シャリエール伯爵からの承諾もいただいております」
私の戸籍を見せると、ちゃんとサインもされている。
ただしお祖父様のサインが書かれている。
「今でもあの方は家長ですもの。ご両親の承諾がなくとも可能ですわ」
「嘘よ!全部嘘に決まっているわ…何の価値もない出来底ないで私の踏み台にしかならないあんなのが!」
首を横に振りながら否定し、私を罵倒し続ける姿が哀れに思えた。
私を見下すことで優越感に浸り、憂さ晴らしをしていたなんて惨めだと思った。
「いい加減にしなさいよ!」
「ベアトリス!」
私はうつむいていた刹那、ベアトリスはとんでもない行動をしていた。
「小さな子供みたいに駄々をこえてるんじゃないわよ。みっともない」
「うっ…」
「これ以上醜態をさらさないでくれる?こんな馬鹿と血が繋がっていたかと思うと恥ずかしくて仕方ないわ。勝手に自分はお姫様だと勘違いして…支えられて守られていた事にも気付かないなんて」
「何を言ってるの…ぐっ」
マリアナの胸倉を掴みながら冷たい視線を向ける。
「解らないの?お姉様があんたみたいな馬鹿をさんざんフォローしていたのに。伯爵家が裕福なのはお姉様のおかげだし、豪華なドレスも誰のおかげかわかっているの?」
「ベアトリス様、頭が空っぽな方に行っても仕方ありませんわ」
「マルガリーテ様、解らなくても言わなくてはなりません」
どうしてベアトリスはここまで怒っているのかしら。
何より私がいたから高位貴族のお茶会に参加できたってどういうこと?
「君は本当に知らされてなかったんだね」
「ジルベルト様?」
私の肩に優しく触れながらも怒った表情をしていた。
「この際だからはっきり言おう。これまでマリアナ嬢が参加していたお茶会に夜会は、君が招待されるべきものだった…それを勝手に彼女が代わりに参加したんだ」
「は?」
私に来ていた?
それを代わりに勝手に参加していた?
意味が解らなかった。
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