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第二章.新たな婚約
閑話1.御令嬢達の会議
しおりを挟む「皆様にお集まりいただいたのは他でもありません」
休日に我が公爵家に皆様をお呼びした私は、開口一番に告げました。
こうしてお茶会をするのは何度目になるか解りませんが、オリヴィア様のいないお茶会は初めてかもしれません。
なんせ私達は元は第三王子のジルベルト様のお妃候補として集められた。
ライバルであるのですから、仲良くお茶会なんてありえません。
とは言え、以前に比べれば格段の歩み寄りを見せていたのも事実です。
「解っておりますわ。他の皆様の意見はどうですの?幹事を務められるということは、腹が決まったということですか?サマンサ様」
「私は元より、ジルベルト様の後ろ盾になるつもりでしたわ。婚約はあくまで表向き理由ですのよ」
「私も同じでしてよ」
やはりそうでしたか。
ナウシカ様の父君は辺境伯爵であり、辺境地の貴族を代表する文官。
何より調和を重んじておられましたわ。
「私は、父の意向に従い行動して参りましたの。ですが、ジルベルト様に相応しいお妃様がいらしたならば身を引き、行く行くはお妃教育のお手伝いのつもりでしたわ。後は相応しくない方は排除ですわね?」
「結構。私と同じで助かりましたわ」
ナウシカ様ははやり聡明な方で愛よりも政治を優先する方です。
貴族の娘として当然でもあり、長年王家に忠誠を誓う一族故に当然ですわね。
「私も異論はありませんわ。当初は妃の座を狙おうと思いましたが」
「まぁ、そうですの?」
私達とは異なり妃の座を欲していたマルガリーテ様はどうして心が変わったのでしょう?
「現在の社交界は堕落しております。故に血筋がしっかりして、尚且つ美しく聡明な者が妃になるべきだとお持っておりました」
「私もです」
「ですが、私は妃になって女性の地位向上を目指したかったのです。妃の座は使えると思いましたのよ」
なるほど。
妃の座を利用したかったのですね?
でも悪いとは言えませんわ。
「貴族社会にかぎらず、世間は女性を道具にし過ぎですわ。どうしても変えたかった」
「私もです。元平民だからという理由で虐げる貴族が多くて…優秀でも血筋が悪いだけで評価されないのが悔しくて」
皆様、それぞれ思いを抱いていたのですね。
私達は、貴族令嬢の中でも少しばかり変わっているのです。
女性でありながら今の政治を憂いで、社交界が堕落したことを嘆いている。
だからこそ、お妃様となる方は厳選して選ばなくてはなりません。
特にジルベルト様のお妃となる方は、政治にも口出しできるのですから。
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