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第一章.婚約破棄騒動
4.王子殿下
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華麗なる一族の中で秀でた能力がない私であるけど、ちゃんと特技がある。
とは言え、かなり地味だった。
姉と妹は精霊の加護を持つのだけど、私の場合は至って地味だった。
それは、結界魔法。
文字通り、結界を敷いて身を守るのだけど。
我が国では攻撃魔法や高位精霊と契約してこそなんぼ。
私の様に守りだけしかない魔法は屑のように扱われているらしい。
強い攻撃魔法があれば、結界なんて不要らしいのだけど。
長期戦の戦いで魔力を消費すれば危険だと思う私は一度、姉に言ったけど。
「馬鹿ね?そんなのは上級魔法が使えない人のいう事よ。我が一族がそんなことを言うなんて恥よ」
穏やかに言いながらも、咎められてしまった。
姉は炎属性の魔力を持ち妹は水属性でるので正反対だった。
私はというと土属性だった。
「後使えるのはこれかな」
手をかざして土を動かす。
「まさしくモグラね。その内モグラ令嬢ってよばれないかしら?」
土ボコを沢山作り、地面に穴が開く。
ものすごく地味であるが、私生活には役立つ。
なんせ、このおかげで私は――。
「豊穣の加護があるから、邸に果物が沢山だわ」
私の魔力で邸の果実は毎年豊作で、庭も満開の花が咲き誇っている。
悪くないと思うのだけど。
「オリヴィア!また土いじりをして…」
「お姉様…」
「そんなことをする暇があるならもっと淑女の勉強をなさい。さぼってばかりいるから落ちこぼれなのよ」
ため息をつきながら言う姉は私を小さな子供にしかりつけるような言い方をする。
私だって頑張っている。
なのに…
「君がこの庭を育てたのか?」
「えっ…」
爽やかな風が吹くようにして現れたのはおとぎ話に出てくるようなとても綺麗な男性達だった。
「始めまして、私はジュリアス・フォン・ウィステリアだ」
「弟のジルベルト・フォン・ウィステリアと申します」
しかし名を告げられ私は固まった。
「殿下!ジルベルト様…妹にそのような!」
側にいた姉は言うまでもなく、ギョッとなりながらすぐに止める。
「何故だ?」
「何故って…それは」
「彼女は君の妹ではないのか?そうなれば将来は私の可愛いい義妹になる」
「ですが…オリヴィアとは身分が…」
その言葉にジュリアス様の目が険しくなるのを感じたのは気のせいだろうか?
隣にいるジルベルト様も無言だった。
何故こんな顔をされるのか解らない。
姉の言う事は最もでもあるのだから、おかしいことはない。
「マリアナ嬢、君は兄弟に身分の差別をつけるのか?では我が弟のジルベルトに対してもそう思っていたのか」
「えっ…」
「兄上、そんな怖い顔を淑女にするものではありませんよ」
氷のような瞳を向けるジュリアス様に私は怖くなる。
さっきまでの優し気な瞳とは正反対だった。
「レディー、お名前をお聞かせくださいませんか」
「オリヴィアと申します」
「素敵な名だ。オリーブを意味する名ですね。私はオリーブとヒマワリが大好きなんです。貴女は誠にヒマワリのような方だ」
「へ?」
素っ頓狂な声を出す私は放心していたが、ジルベルト様は構わず私の手を握りキスを送った。
とは言え、かなり地味だった。
姉と妹は精霊の加護を持つのだけど、私の場合は至って地味だった。
それは、結界魔法。
文字通り、結界を敷いて身を守るのだけど。
我が国では攻撃魔法や高位精霊と契約してこそなんぼ。
私の様に守りだけしかない魔法は屑のように扱われているらしい。
強い攻撃魔法があれば、結界なんて不要らしいのだけど。
長期戦の戦いで魔力を消費すれば危険だと思う私は一度、姉に言ったけど。
「馬鹿ね?そんなのは上級魔法が使えない人のいう事よ。我が一族がそんなことを言うなんて恥よ」
穏やかに言いながらも、咎められてしまった。
姉は炎属性の魔力を持ち妹は水属性でるので正反対だった。
私はというと土属性だった。
「後使えるのはこれかな」
手をかざして土を動かす。
「まさしくモグラね。その内モグラ令嬢ってよばれないかしら?」
土ボコを沢山作り、地面に穴が開く。
ものすごく地味であるが、私生活には役立つ。
なんせ、このおかげで私は――。
「豊穣の加護があるから、邸に果物が沢山だわ」
私の魔力で邸の果実は毎年豊作で、庭も満開の花が咲き誇っている。
悪くないと思うのだけど。
「オリヴィア!また土いじりをして…」
「お姉様…」
「そんなことをする暇があるならもっと淑女の勉強をなさい。さぼってばかりいるから落ちこぼれなのよ」
ため息をつきながら言う姉は私を小さな子供にしかりつけるような言い方をする。
私だって頑張っている。
なのに…
「君がこの庭を育てたのか?」
「えっ…」
爽やかな風が吹くようにして現れたのはおとぎ話に出てくるようなとても綺麗な男性達だった。
「始めまして、私はジュリアス・フォン・ウィステリアだ」
「弟のジルベルト・フォン・ウィステリアと申します」
しかし名を告げられ私は固まった。
「殿下!ジルベルト様…妹にそのような!」
側にいた姉は言うまでもなく、ギョッとなりながらすぐに止める。
「何故だ?」
「何故って…それは」
「彼女は君の妹ではないのか?そうなれば将来は私の可愛いい義妹になる」
「ですが…オリヴィアとは身分が…」
その言葉にジュリアス様の目が険しくなるのを感じたのは気のせいだろうか?
隣にいるジルベルト様も無言だった。
何故こんな顔をされるのか解らない。
姉の言う事は最もでもあるのだから、おかしいことはない。
「マリアナ嬢、君は兄弟に身分の差別をつけるのか?では我が弟のジルベルトに対してもそう思っていたのか」
「えっ…」
「兄上、そんな怖い顔を淑女にするものではありませんよ」
氷のような瞳を向けるジュリアス様に私は怖くなる。
さっきまでの優し気な瞳とは正反対だった。
「レディー、お名前をお聞かせくださいませんか」
「オリヴィアと申します」
「素敵な名だ。オリーブを意味する名ですね。私はオリーブとヒマワリが大好きなんです。貴女は誠にヒマワリのような方だ」
「へ?」
素っ頓狂な声を出す私は放心していたが、ジルベルト様は構わず私の手を握りキスを送った。
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