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第二章
25役回り変更
しおりを挟むあの断罪事件によりごたごたが起きていたけど、ようやく落ち着く頃には卒業式を迎える事となっていた。
結局ヒロインもどきさんの行方は国外追放となった。
「本来ならば甘すぎるかもしれないが」
「まったくですわ。永久労働でも良いのに」
「ですが国内にいられる方が困りますわ」
国内にいてまた良からぬ事を企まれては困るとのことだが。
これって悪役令嬢のバッドエンドじゃない?
ハッピーエンドで国外追放で平民となる。
バッドエンドの場合は島国に平民として過ごしながら一生監視がつく。
「同盟国で小さな島国です。手つかずの島が多くありますもの」
「アンネローゼ様」
「その離れ小島は、船は週に一度…しかも一度入れば逃げ出せません」
過酷な環境である事は確実だった。
我が国では奴隷制度はないが貴族が罪を犯した場合は死罪ではない限りは領地にて謹慎処分となるが、彼女の場合は異なる。
父親が罪を犯し、彼女自身も罪もあり貴族派の過激派とも関わっている事で罪は重かった。
私の殺人未遂もあるのだけど。
そして卒業式を一か月前に控えた日の事だ。
「レティー」
「殿下?」
後始末に追われるルクシオン様に呼ばれ私。
ルクシオンの様も高等部の卒業式があるので忙しいはずなのに。
「君は卒業まで後三年ある」
「はい」
「卒業後は多忙で今までのように時間を作るのは難しいだろう」
学生の立場である私とは異なるのだから仕方ない。
「だからこそはっきりさせたいんだ」
「はっきり?」
「ああ、君は僕との婚約は乗り気ではなかった。何時でも婚約解消しても良いと思っているだろう」
「あー…」
それはヒロインと結ばれるのが一番幸せだと思ったからだ。
決してルクシオン様を嫌っているわけではないぞ!
うん、絶対に。
「この場でもう一度君に求婚するよ」
「え…」
「僕の妃になって下さい」
薔薇を差し出され告げられた言葉に固まった。
「殿下?」
「なんてね?君を口説くのは長期戦になりそうだ」
「へ?」
そう言いながら影が重なる。
「なっ…」
今キスされた?
「僕は君を振り向かせるよ。どんなに時間がかかっても僕は君を逃がさない」
頭の中が真っ白になる。
…はずが。
「そこまでですわ!」
「お嬢様ぁぁぁ!」
再びキスされる寸前でアンネローゼ様とカンナが乱入した。
何時からいたの!
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