自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

ユウ

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第二章

13私が正義

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何をしても思い通りに行かない。
何でよ。

悪役令嬢の癖にどうして他のライバルキャラに守られているのよ。



「おかしいわ。アンネローゼとレティシアが仲が悪いはずよ。フレデリカだって私を守るはずなのに」


宝珠イベントを発生する事も出来ない。
むしろ私と悪役令嬢の立ち位置が入れ替わっているじゃない。



「どうなっているのよ!」


どんな手を使っても上手くいかない。


「ユリティナ嬢、どうしたんだ」

「さっきの事で傷ついているんだな」


「皆さん…」


私に声をかけるのは普段から私の傍にいる名もないモブ。
何でヒロイン補正が効くのがこんな男達なのよ。


何の役にも立たない。


「いえ、大丈夫ですわ。私は何か気に障るような事を言ってしまったのかしら」


かと言ってここでボロを出すわけにはい。
雑魚でも利用価値はあるのだから。


「本当に貴女は聖女のような方だな」

「ああ、あの悪女とは大違いだ」

「きっと世界樹の宿主はユリティア令嬢だよ」


国の救世主となる聖女。
ゲームでは世界樹と心を通わせられる白の聖女と呼ばれるのはヒロインだった。


そうこの私だ。


「最近大樹に異変が起きているんだ」

「何でも東と南の神殿の結果が弱まっているとか」

「噂では近い内に聖女の選定試験を行うそうだ…でも光の魔力を持つ貴女がいるのだから選定試験なんて必要ないだろう」


本来ならば卒業試験前日に行われるけど。
卒業式を待つ前にあの悪役令嬢を排除できるなら好機だわ。


「でも私なんて」

「大丈夫だよ。選ばれるのは世界で最も美しい心を持った人なんだから」


「君以外に女神の加護を誰が持つというんだ」


当然よ。
あのポンコツ悪役令嬢は最後は地獄を見るのだから。


でもこのまま静かに国外追放なんて許さないわ。
痛めつけてやらないと気が済まない。


そしてあの女を味方する女達も痛めつけてやらないと気が済まない私は、一番の標的にあの女を。


アンネローゼを選んだ。
美しい容姿しか持たない最低な女を。


婚約者がいながらも弟に手を出すあの女を少し痛めつけてやろうと思った。
ついでに騙されてる哀れな彼の目を覚まさせてやろうと思った。




はずだったのに。



「アンネローゼ様、婚約者の弟君と二股をかけるなんてどうかと思いますわ」

「は?」

「いくらあなたが男遊びが趣味だからと言って、少しは考えてください。光の魔力を持つ私の目からも貴女は穢れの魔力が見えますわ」

「何を…」


「これ以上社交界の品位を汚さないでください。いかに母君が隣国の貴族でも」


社交界の華と呼ばれているけど、華じゃないわ。



他のライバルキャラにも釘を刺しておいた方がいいわね。

そう思って私は他のライバルキャラに釘を刺しに行った。


王妃となるのだから当然よね!



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