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第一章

8学園デビュー

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批難して来たのはヒロイン事、ユリティナ・ガーランドだった。


「教室でお菓子を食べるなんて下品ですわ。しかもこのようなものを持ち込むなんて」


「なっ・・・無礼な」

フレデリカ様がダイアナ様を庇い睨みつけるも。


「学園内でお菓子を持ち込んでは行けない規則はありませんわ」

「規則云々の問題ですわ。しかもそんな貧相なお菓子」

「貧相…」

ダイアナ様の作ったお菓子が貧相?


「目がお悪いようですわね。この素晴らしいお菓子を」

「は?」

「このビスケットは画期的なお菓子ですわ。クッキーのような砂糖やバターを沢山使ったお菓子は体に悪いのですわ。ですがこのビスケットは違います」


「何を…」

「体に優しく美容にも良い奇跡のお菓子を知らないとは。やはり世間知らずですわ」


そうだヒロインは元平民。
そうなるとビスケットのような素晴らしいお菓子を知らないのね。


「こんなに美味しいお菓子を知らないなんて哀れですわね」


元平民で物を知らない事を馬鹿にする。
よし、学校デビューでクラスでも悪役令嬢として見せるわ。


「見ただけで判断するとは愚かな行為!このビスケットに謝りなさい!そしてダイアナ様に無礼を働いた事を詫びなさい」


「なっ…」

「それとも謝り方も知らないのかしら?平民はそんな事も教えてくださらないのね」


驚きながら震えているわ。
うんうん、私の名演技に何も言えないのね。


視線が私に釘付けだった。


クラスメイトも私を睨んでいるわ!


「レティシア様、私は大丈夫ですから」

「そうですか?こんなに美味しいのに…もう少しもいただいても?」

「どうぞ」


ダイアナ様に宥められ私は再びビスケットを食べる。
うん、この素朴な味が溜まらない。

クッキーも好きだけど、毎日食べたくなるのはこのビスケットだ。
ミルクを沢山使いながらも砂糖は少量で幼児にも優しい味にしている。


「こんなに愛情たっぷりのなのに」

「その言葉だけで十分ですよ」

「ダイアナ様、良かったですね」


見た目は質素だけどクッキーよりも保存できるように工夫されている。
何より私が沢山食べても太らないし何より。


「食べ過ぎです。そして、ちゃっかり懐に入れないでください」

「げっ…」

バレていたか。
最近のアンネローゼ様は手厳しいな。
カンナがお小言を言わなくなったのは彼女の存在が大きいのかもしれない。


でも、学園でのデビューができたのだから良しとしよう。


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感想 41

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