自称悪役令嬢は嫌われるべく暗躍する!皆の幸福の為に嫌われるはずが、何故か愛されてしまいました。

ユウ

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序章

9パクった友達

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図書館の出の襲撃は瞬く間に噂になった。


「お嬢様、恐ろしい程の噂が」

「そうでしょう。そうでしょう」


紆余曲折はあれど、中々上手く行ったんじゃない?
私の悪女説が広まり、王太子殿下の婚約者として相応しくないと噂が流れているだろう。


「社交界ではお嬢様の人気は鰻登りです」

「は?」

鰻登りって何?

「どういう事?」

「実は…」

カンナが説明をしようとした時だった。


「レティー!」

喧し音と共に真っ青な表情のお父様が現れる。
今日は夕方まで帰らなかったはずなのにどうしたものか。


「先ほど王妃陛下よりお話を伺った」


強張った表情でお父様は私に距離を詰めた。


「図書館で騒ぎを起こしたそうだな」

「はい、ムカついたので」


「うぐっ…」


やっぱりまずかったか?
相手は何処の家の子息か解らないが、結構身分が高かったか?


「相手は辺境伯爵家だ」

「旦那様!お嬢様はセクハラまがいな行為をされているご令嬢を庇われたのです」


「ああ聞いている。王妃陛下からお褒めの言葉を頂戴した」

「はい?」


お褒めの言葉を頂戴したって何?


「聞けばあの男は少女趣味で、成人前の令嬢にふしだらな行為をして目に余る行為をしていたのだが、他の貴族は目を付けられたくないが為に見て見ぬふりをしていた」


確かに関わりたくないかも。
でも、アンネローゼ様は私と同い年のはずだ。

にも拘らずあの美貌と大人っぽさ。
おそるべし乙女ゲーム。



「社交界の問題のある男を撃退し、困っている令嬢を己の手を汚しても為すとは見事だと」

「あの…」

「今度王宮にて王妃陛下のサロンへと」


なんか、私の想像していたのと違うんだけど。


「今回の騒動で、公になっただろう」

「何か問題が…」

「大問題だ!これまで正式に公表していなかったから婚約を解消。もしくは他の令嬢を進める事もできない」


未だに陰で動いていたのか。
この状況下で未だに抵抗していたなんてびっくりだ。


「図書館での事件はお前がまだ社交界にも出ておらず王都に慣れていない事で誤魔化せたが…王太子殿下の婚約者として正式に発表されればどうなるか」

「大丈夫ですわお父様!どうせ私は王太子妃にはなりませんわ!」

「は?」

「どうせ婚約はなくなりますし。良く考えてください私に完璧な王妃に慣れる確率は?」


「限りなくない。いや国が滅んでもない」


そこまで言うか。
でも、実際貴族令嬢としてのスキルは全くない私に無理だ。

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