異世界の最強の白魔導士になってしまった件!~家族に捨てられましたが、魔物が家族になりました!

ユウ

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第一章

1異世界

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生きるか死ぬかの瀬戸際。
いや、一度死んでいるからその選択はおかしいか。

『地獄の沙汰も選択次第です』

「止めろ!」


頭に響くこのナレーター。
ゲームで言えばチュートリアルは今の俺の神経を逆撫でする。

まぁ俺なんて怖くないのだろうけど。

『出現します』

「今度はなんだよ」

『スライムが出ました』

「はいぃぃ?」

必死で走る中、スライムが現れる。


「スラムごと灰になれぇぇぇ!」

俺を狙う二人は容赦なく攻撃し、怯えるスライムは涙目だった。


「ちょっ…」

ここまでするのか!
相手はまだ何もしていないのに。


「くっそぉぉ!」

俺はスライムを抱きしめ走る。

『スライムを生贄にしますか』

「だからしないって!」


とにかくスライムを逃がしてやらないと。

『スライム重症、何もしなくても絶滅します』

「今かよ!」


何だ?
こ何時は俺に何か恨みでもあるのか。

それともの世までも俺に厳しいのか。


ふと周りを見ると。

『炎の魔法で森の妖精が死にかけています』

「はぁ?」

森に火を放てばどうなるか解らないのか。


『スライムが瀕死状態です』

「だからどうすればいいんだよ」

逃げながらスライムを救う方法はないのか。
というか普通に傷の手当をしてなんとかなるのか。


『回復魔法を発動させますか』

「おれホイミ使えないんだど」



とにかくできるならなんでもいい。

「この際なんでもいいからスライムを助けて」

『自身の魔力を与えます』


腕の中のスライムが動き出す。

「えっ…」


スライムが銀色の光に包まれる。

「あれは最高治癒魔法…」

「嘘だろ」


さつきまで虫の息だったスライムが元気になる…


「なんか大きくなってないか?」


手から離れたスライムは大きくなる。


ポヨン、ポヨンと飛び跳ねるスライムは元気になったようだった。


「良かった…元気に夏たんだ」

「ピー!」

「良かった。そんなに元気になったんだ」


何だから艶やかになっているのは気のせいだと思った矢先。


『前方から攻撃されそうです』

「は?」


ふと熱いと感じると、今度は炎に身を包んだ鳥が俺に襲い掛かる。


「ちょっと待て…」

「この悪魔め!重症のスライムを復活させるとは…高位な魔族を野放しにできん」

「光魔法を受けなさい!」


わけが解らないが、俺はあの二人に敵意を向けられる。
ふと俺のズボンが誰かに掴まれる。


「これは小人?」

小さな女の子達が俺のズボンをぎゅっと掴んでいた。


「お助けください」

「殺されます」


小さな小人の女の子は火傷を負っている。
もしかしてこの二人に痛めつけられたのか?

どうして…

疑問に思う俺だったが、そんな暇は与えられることはなかった。
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