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序章

5美少女

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無理矢理裏路地に連れ込まれて涙目の女の子。


「いいじゃねぇか!」

「そうそう、近くに楽しい場所があるからよ。ちょっと休憩していこうぜ」

「離してください!」


周りに人はいる。
でも素通りするだけで助けてくれない。


どうしよう。
相手は三人で、明らかになんとかできるわけがない。


でも…


おじいちゃんの言葉が木霊する。


――助けないと!


咄嗟にそう思ったんだ。
考えるよりも先に俺は体が動いていた。


「あの!」


「何だ?」

「女の子は嫌がっています!手を離してください!」


「んだと!気色悪いデブが!」

「邪魔するんじゃねぇよ!」


止めに入ろうにも俺は丸腰でしかも。

「あああ!」


スタンガンを腹部に当てられた。


「きゃああ!」

女の子の悲鳴が耳に入る。
幸いにも意識は朦朧としているが気絶しなかったので不良品だと思った。

「大丈夫ですか!」

「こんなデブ心配しないで俺と楽しい事しようぜ」

「いや…やめて!」


女の子を壁に抑え込み乱暴な行為をする。


「やっぱりいい体してるな」

「やめっ…」


「止めてください」


俺は意識が朦朧とする中男の足を掴んだ。


「てめぇ!」

「嫌がっているでしょう。恥ずかしくないんですか…嫌がる女の子に」

「ふざけやがってぇぇ!」


俺の言葉が逆鱗に触れたようだ。
殴るけるの繰り返しだけどこの日初めて家族に感謝した。

打たれ強くなったんだな俺の体。

殴られながら俺はスマホを投げた。


そこにはある仕掛けをした。

そして背後の運転手さんに合図を送る。

「逃げろ!」

「えっ…」

「くそデブ!放しやがれ!」

「早く!運転手さん!彼女を連れて逃げて」

女の子に手を握り突き飛ばす。

「お嬢様!」

「待って…あの人が!」


「行ってください!早く!」


運転手さんは女の子の手を引き車に乗り込み逃げてくれた。

同時にサイレンが鳴り響く。


「おい、パトカーが!」

「やべぇ!サツだ!」

「てめぇ!」


怒りの矛先はすべて俺に来た。
スタンガンをもう一度当てられるかな?

なんて思っていたら今度はナイフを突きつけられた。


嘘だろ?

俺死んじゃうの?


逃げようにも体が動かない。


橋の近くに引きずられて俺は刺された。


「死ねよ!」

「えっ…」


そのまま川に投げ込まれたのだった。



その同時刻に。


パトカーが止まり警察の人達がかけつけてくれたけど。


少し遅かったみたいだ。


この重症で身動きは取れない。
しかもこの寒い季節に川に落ちれば死ぬだろう。


でも…


あの女の子は無事だといいな。
俺なんかの為に悲しんでくれるなんて優しい女の子だ。


もし死んでもあの子が傷つかないでくれたらいいな。

そんなことを思うながら俺は目を閉じた。


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