異世界の最強の白魔導士になってしまった件!~家族に捨てられましたが、魔物が家族になりました!

ユウ

文字の大きさ
上 下
3 / 10
序章

3遺産

しおりを挟む





葬儀から一週間が過ぎた後。


「俺に相続?」

「はい。お祖父様は生前、別邸を千早さんに相続させたいとおっしゃられました」

「ちょっと待って!何でこんな奴に!」

相続権利は孫にある。
だけど両親は一円だって俺に相続の権利を与えたくないのだろう。


「千早様が相続を放棄される場合ですが、建物の処分費用はこの金額になります」

「なっ…」

金額は恐ろしい金額だった。

「それから現在住まわれている家は千景様の名義でしたね?遺産を引き継ぐ際の贈与税はこの通りです」

「なっ…高すぎだろ!」

「遺産を相続するならこの程度は当然かと」

「お金は…通帳は!」


贈与税の高さに真っ青になる二人。
それなりに稼いでいるようだが、おじいちゃんの遺産を手にしていたのか。


「何で通帳にお金がないのよ」

「生前、千景様は福祉施設に寄付をしておりました。10億程」

「はぁ!」

「ご自分がなくなった時、万一千早様が相続権を放棄したときは皆様の家は売却と残った資産は福祉施設に寄付するそうです」


これはもう死刑宣告のようなものだ。
おじいちゃんは相当な資産家であるが贅沢を好んでいるわけではない。

お金は人様の為に使うものだと言っていた。
両親が贅沢な食事をする傍ら質素倹約を心掛けていた。


「待って、じゃあお義父さんの車は?」

「あの車はサブスクだと聞いています」

「何ですって!じゃあお金はほとんどないじゃない!」


俺に相続された家具などはかなり古い。
現在の日本ではまず使わないおかまにミシンだって時代劇で使うようなもの。

オルガンだってかなり年季がある。
埃まみれで見るに堪えなかった母さんはすべて売ると言うが。


「これらの家具を処分するなら業者に…安くてもこれだけの金額は」

「もういいわよ!」


弁護士さんの言葉に怒鳴り散らす。

「こんな負の遺産要らないわよ!その代りアンタは勘当よ!二度と私達の目の前に現れないで」

「何の役にも立たななかったな!お前なんてもう息子じゃない…この疫病神だ」

「無一文になったわね?寒空の下で死んでよね」

「お似合いだぜ」

「お前なんて消えればいいのに」
そう言い残して家族は早々に去っていく。
その所為で俺は名字だけは相馬であるが、縁を切られてしまったのだった。



「千早君、お話があります」

「えっ…碓井さん?」


俺は碓井さんに手を引かれ家の中に入るとおじいちゃんの部屋にあるものを見せられた。

それは碓井さんに渡されたのはこの家に関する書類だった。


「これ…俺の名前」

「三年前だよ。千景さんがこっそり手続きをしたのは」


そんな前から?
俺は全然気づかなかったのにおじいちゃんはこうなることを予測したのか?


戸惑う俺に碓井さんは肩をポンと叩き経緯を話してくれた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

お妃様に魔力を奪われ城から追い出された魔法使いですが…愚か者達と縁が切れて幸せです。

coco
恋愛
妃に逆恨みされ、魔力を奪われ城から追い出された魔法使いの私。 でも…それによって愚か者達と縁が切れ、私は清々してます─!

王太子に婚約破棄され塔に幽閉されてしまい、守護神に祈れません。このままでは国が滅んでしまいます。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 リドス公爵家の長女ダイアナは、ラステ王国の守護神に選ばれた聖女だった。 守護神との契約で、穢れない乙女が毎日祈りを行うことになっていた。 だがダイアナの婚約者チャールズ王太子は守護神を蔑ろにして、ダイアナに婚前交渉を迫り平手打ちを喰らった。 それを逆恨みしたチャールズ王太子は、ダイアナの妹で愛人のカミラと謀り、ダイアナが守護神との契約を蔑ろにして、リドス公爵家で入りの庭師と不義密通したと罪を捏造し、何の罪もない庭師を殺害して反論を封じたうえで、ダイアナを塔に幽閉してしまった。

ブラックな職場で働いていた聖女は超高待遇を提示してきた隣国に引き抜かれます

京月
恋愛
残業など当たり前のお祈り いつも高圧的でうざい前聖女 少ない給料 もう我慢が出来ない そう思ってた私の前に現れた隣国の使者 え!残業お祈りしなくていいの!? 嘘!上司がいないの!? マジ!そんなに給料もらえるの!? 私今からこの国捨ててそっちに引き抜かれます

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

お約束の異世界転生。計画通りに婚約破棄されたので去ります──って、なぜ付いてくる!?

リオール
恋愛
ご都合主義設定。細かい事を気にしない方向けのお話です。 5話完結。 念押ししときますが、細かい事は気にしないで下さい。

ブチ切れ公爵令嬢

Ryo-k
恋愛
突然の婚約破棄宣言に、公爵令嬢アレクサンドラ・ベルナールは、画面の限界に達した。 「うっさいな!! 少し黙れ! アホ王子!」 ※完結まで執筆済み

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

処理中です...