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88面会当日
しおりを挟む面会当日。
約束通り国境付近で面会となった。
勿論その場にはアレクもお兄様もいる。
「この度は…」
「挨拶は結構。どうしてもと言うので一度だけ要求を聞き入れた。しかし我が国にスパイを送り込んだことは変わらない。どういうつもりかお聞かせ願いたい」
「それは誤解です。私達は何も知りません」
「あくまで知らぬと言われるのであれば結構。こちらも奴隷制度はないのだが…」
「簡単に信用できるとお思いか」
お兄様の言葉に納得をしないのはセージお爺さんだ。
「なっ…この場で汚らわしい!」
「王太子殿下!この汚い魔物は!」
この二人、まさか知らないのか?
私も最初は知らなかったけど、当時は無知だったのだけど。
二人は知らないはずはないのに。
「無礼な。こちらの方はドワーフ国の王だ」
「「は?」」
「薄汚いとは…彼の恩恵を得ておきながら何所までも無礼な」
「殿下。良い…彼らは我らドワーフが汚らわしい存在と思っているのだ。ならば今後二度とkっ揚力はせぬ。技術の提供もせぬわ」
「そんな!お待ちを…」
「そうです!言葉の綾で…」
謝罪はしないで許せと言う時点でもう終わりだろう。
「私の事は良い…話を進めよ。正直この場にいるのは時間の無駄だ」
早く話を終わらせたいと言われお兄様が話を進めてくれた。
「手紙に関してはどれも受け入れがたい。そもそも我が国とは同盟国でも友好国でもない以上は外交はできない。こちらにデメリットのみだ」
「貴方達が過去に我が国に何をしたかお忘れか」
「それは…ですが、今は国同士が協力する時ではありませんか」
「そうです。困った時は互いに助け合うべきです」
「ほぉ?我が国は困った時に何をしてくれた?」
自分達の事は棚に上げて協力しろなんて都合が良すぎだ。
「ですが、アンリは私の妻です。私の妻が貴方達の国を救ったのならその見返りを…」
「ガルゥ!」
「ひぃ!」
傍に控えていたアルフが暴れ出す。
大人しくしておいてと言っておいたけど無理だった。
「言葉には気をつけられよ。このフェンリルはアンリ殿の従魔だ。それから嘘はいただけない」
「嘘では…」
「アンリは私の妻です。ちゃんと誓約書もありますし…中央神殿にも証明書を出してもらってますよ」
アレクが証明に持ってきてくれた二通の書類。
これで事実確認は完ぺきだった。
何より…
「私との婚約を破棄すると言ったのは貴女ではありませんか?」
「アンリ!お前は…」
「妻を呼び捨てにしないでもらいたい」
私を怒鳴り散らそうとするギョームからアレクは庇ってくれた。
それでも睨み続けるのは変わらなかったけど。
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