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23隣国に到着
しおりを挟む旅の道中、魔物に襲われることもなく半日で隣国に到着した。
「いやぁ、案外近かったね」
「いや、陸路でも一週間はかかるんだが」
「通常ルートじゃないと魔物に襲われるからかな」
「それもあるが、海が凍り付いている所為だな」
海が凍っており船は出ていない。
なので私はそのまますいすい滑って来た。
ソリ犬のおかげで。
「いやぁ、本当に楽勝だったな」
氷の上をすいすい走ってくれたので本当に早かった。
船が出ていないだけでなく馬車も出ていない状態で、歩いていたら何日かかっていたか解らない。
「しかし本当にいいのか…その」
「ウキ?」
「なんとなく」
道中に、冒険家の人に遭遇した時に従魔が言うことを聞かず処分しようとしてるのに遭遇した。
猿は縁起の良い神様だ。
殺すなんてとんでもないと思ったので買い取ることにした。
食料とワインと私の服だ。
とはいってもノームからの贈り物ではなく、私が貴族だった時に持っていた数少ない服やドレスだ。
売ろうと思っていたしあとくされなく手放せたのだから良しとしよう。
私には必要ないしね!
「犬、鳥と来たら猿でしょ!」
「そうなのか?」
「そうよ!桃太郎のお付きには決まっているんだから」
それにしても、隣国は極寒の地だったのね。
足を踏み入れると雪だらけというよりも地面が凍り付いてる。
「入国料を支払わないといけないけど、足りるかな?」
通常他国に入る際は、入国料を支払わなくてはいけない。
私は商人でも、冒険家でもないからギルドカードを発行していないのでお金を支払わなくてはならない。
「それなら俺が」
「ダメだよ。自分の分は自分で支払わないと」
アレクは私に気を使って旅先の間旅費を出すと言ってくれたけど、自分の費用は自分で出すと言ったら困った顔をされた。
でも自分の支払いは自分ですべきだ。
アレクの国に行くことを言い出したのは私なのだから。
「自立心が半端ないな…君は本当に貴族令嬢か」
「私貴族令嬢は向いてないからね。基本自分の事は自分でする主義だし」
前世も今も変わらない。
まぁ、パパが貴族なのに貴族らしくない人だっらからなんだけど。
「それで、これから何所に行くの?」
「まずは入国した後に滞在許可証を得よう」
「パスポートないよ」
今思えば身分を証明するものがない気がする。
「身元を保証ができればいい…君は父君から受け継いだものがあるだろ」
「え?」
「その鍬だ」
私の持っている鍬を指さす。
「家紋が刻まれているだろう?」
「あっ…本当だ」
「騎士の家柄ならば先代から引き継いだ剣が身元を保証してくれるんだ」
じゃあ、この鍬を見せれば身元は保証されるのか。
とりあえず、不審者扱いを受けないで済んで良かった。
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