【本編完結】婚約者には愛する人がいるのでツギハギ令嬢は身を引きます!

ユウ

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第二章

28.エスコート役

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されるがまま、舞踏会に参加した私達。
言うまでもなくエスコート役に駆り出されたのはディーノとローレンツだった。

シシィー様曰く、身分も財力と共に私達に相応しいのは二人だとか。
皇女殿下のエスコート役は侯爵以上でなくてはならないのは解るけど、私まで?


「緊張しなくても大丈夫よ?今夜のパーティーには異国の貴族に皇子もいるわ」

「余計心配しかないんだが…」

「まぁ、お兄様ったら。ご自分の妻を見せびらかすぐらいの度胸をお見せください」

何時からそこまで話が進んだんですか!

「貴方が青紫のペンダントを選んだ時点で、お兄様を伴侶に望んだことは解ってましてよ?お兄様の養父は辺境伯爵様なのだから身分的には申し分なくてよ?その旨も伝えました」

「おい、何を勝手な!」

「外堀を埋める為ですわ。彼はお兄様を跡継ぎに考えておりますのに…肝心なお兄様は浮いた話もなく困っていたそうですわ」

「うっ…」

シシィー様、それ以上はお止めください!
ローレンツがあまりにも気の毒に感じてしまった。

「そこに公爵令嬢とのお話が来れば、逃す手はございませんわ。彼は皇族派ですし」

「いや…だからってな?」

「ノロノロしていては纏まる話もまとまりませんわ。お兄様はやることが温すぎるのですわ。欲しいものがあるなら手を伸ばしてでも掴まなくては!」


こういう時のシシィ様は本当に頼もしい。

恐ろしい程にだ。

「武道大会で万一負けても私が助け船を出して差し上げますわ。お父様もお兄様の事は心配しておりますし」

「頼むから兄をこれ以上落ち込ませないでくれ」


小さくなるローレンツに私は慰めの言葉もなかった。


「まぁ、苛めるのはこの程度にして差し上げますわ。今から本番ですわ。しっかりアリアをエスコートしてくださいな?万一で他国の皇子に奪われるような真似をしたら許しませんわ」

「奪われる?」

「ええ、本日は異国の方も参加していると申しましたでしょう?中には少々強引な誘い方をする方もね?」

「シンシア!」


いくら何でもパートナーがいる女性を強引に奪う真似はしないともう。
万一あってもそれだけの価値がある女性だけで私はその部類に入っていないと思うのだけど。

「シンシア、何を企んでいるんだ」

「いいえ、企んでいるなんて…ただ、少しだけ余興を思いつきましたのよ?とっても素敵な余興を。引き立て役も用意しましたし」


引き立て役って誰の事なんだろう?

私は怪しく微笑むシシィー様に聞くことができないまま、馬車は到着した。

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