愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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「動かない方が良いですよ」


「フィディオ様」


ミレアルは急に体全体に痺れが走る。


「本当になんて方なのかしら」

「リアンティーヌ様、決してお姿を見せないようにとお願いしたはずですよ」

「我慢ならなかったのです。挙句に姪孫に手を上げようとしたのですから」



冷たい表情を向けミレアルを睨みながらリアンティーヌははっきりと告げる。

「ライオネル様は情けをかけましたが、貴女には情けは不要。彼は貴女をできるだけ条件の良い修道院に入れるたいと願っていたようですがその必要はありません」

「私を…そんな墓場に!」

「まぁ、何てお言葉なのかしら?無一文で何もない貴女が生きて行けるようにとの心遣いを。頭お悪く器量も悪い貴女は娼館にも行けませんわ」

「私がそんな!」


離縁になってもライオネルはせめて条件の良い修道院へと思っていた。


「親族は貴女と今後一切かかわる事はないそうですし」

「じゃあ…私は」

「島送りです。まぁ、当初は比較的まだマシな修道院に入れるか判断を困っていたそうです。ですが、王弟殿下の妃を殺人未遂を犯し、反省の色もない」


「あっ…ああ…」


「本来なら死罪になってもおかしくないのですが、最後に貴女の出方を見るようにと王族の代理としてヴィオレット様とフィディオ様、そして貴女の元息子さんですわ」


リアンティーヌは微笑みながらラインハルトを見る。


「止めてください、この女とは血の一滴たりとも繋がっていないんです。私の母はただ一人です」

「ラインハルト!」


「気やすく呼ばないでください。ですが、化けの皮を剥がせて良かったですよ」

そう言いながら見せたのは映像を録画できる道具だった。


「なんで…」

「シェリラを一人でこんな魔の巣窟に行かせるわけがないでしょう?まぁ、万一のことがない様に邸の周りは警備隊で囲んでいますが」


「当然でしょう?貴女がお姉様に手を出す可能性があったのですから。これで国王陛下にも犯罪者だと伝えられますわ」


隣に立つヴィオレットが美しい笑みで微笑む。

「修道院に行く道はご自分で断ってくださって良かったですわ」

シロカも微笑みながらも目は冷たかった。


「虐待程度では思い刑罰になりませんわ。私の事を抜きにしてね?でもこの場で殺人未遂を起こしてくれて助かりました」

「まさか全て仕組んだのね!なんて惨い事を」

「あら?恋人の誠実を裏切り、自分だけ不幸だと言いながら愛してくれた旦那を搾取した方に言われたくありませんわ。彼女はただ真実を知りたいだけ。貴女と違ってね?」


「私は…」

「全ては貴女の欲の結果。これから誰も助けてくれませんが当然ですわね?」


既に声を出す事も叶わず、放たれた矢の痺れが全身に渡りそのまま倒れ意識を失った。



意識のあるミレーヌは泣きながら抵抗するも誰も声をかけずに、二週間後修道院に行くことになった。



まだ幼く成人していないので再教育をされることとなった。
ミレアルは島送りとなり、王都に二度と戻ってくることはなかった。








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