愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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その日が最後とミレアルが知るはずもない。
両陛下に最後に妻と話をしたいと願ったライオネルの思いも知らずに邸から追い出し。


ミレーヌも同様だった。


「役立たずなお父様はお父様じゃないわ」


「ミレーヌ」

「私達をこんなに傷つけて最低よ!」


(もう手遅れなのだな)


ミレアルもミレーヌもライオネルを利用する事しか考えていない。
今辛い思いをしているのは全てライオネルの所為だと怒りをぶつけて自分達は何も悪くないだと言うだけだった。



全てを見守っていた騎士達は同情的な視線を送りながらも厳しい言葉を投げる。


「ライオネル殿、ここまでです。解っていらっしゃいますね」

「解っています。何かをする事はありません。今の私にそんな力はありませんし、これから償わなくてはなりません」


「そうですか」


ライオネルの言葉を疑う気はなかった。
だが、償いべき人間はミレアルであるのに、被害者であるライオネルが償わせられるのが不憫でならなかった。


それからしばらくしてライオネルは伯爵位を奪われる形となり。



「どうしてこんな邸に住まなくてはならないの」

「使われてない邸じゃない!」



二人は小さな使われていない邸に移る事になり、これまで使えていた使用人は解雇して王宮から監視役を命じられた侍女が派遣された。


侍女だけでなく騎士も監視する形になる。


「監視対象となりますので、この邸で生活していただきます」


「誰よ!」

「最低限のお世話をするようにと命じられています」

「なっ!」


二人が厳しい監視の下で生活する事になる。
その生活はこれまで以上に貧しく厳しい生活を強いられることになる。


ライオネルの援助がない状況となるなど知らない二人は、食事や生活に関しても文句を言った。
それでも態々聞く必要はない。


抵抗するなら力で抑え込み、邸には窓もなかった。
邸から出られないように厳重に鍵をかけて軟禁状態になるも、二人は気弱になる事はない。

毎日のように生活も文句を言い。
こんな状況になっても何もしないライオネルの悪口を言う日々が続いていた。


「どうしてあの人は帰って来ないのよ。私に頭を下げてしかるべきでしょ」

「本当に最低ね!」


(どっちが最低だよ)


監視している騎士達はライオネルがどれだけの被害を被っているのか考えもしない二人を軽蔑の目で見ていた。


最後に面会に来た時点で、彼等は知っていたのだ。
ライオネルが更なる降格を命じられたことを。


伯爵位から男爵位に降格されてしまった事を。


何も知らずにライオネルを非難していたのだから。

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