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しおりを挟む社交界の噂は日に日に大きくなり、簡単に外出するのも難しくなっていた。
そんな中時間を作って態々会いに来たことは、シェリラも二人が何を話したいか予測はしていた。
「お祖父様、お父様は…」
「今回の事はもうどうにもならないだろう。降格だけですまない」
「そうですね」
現在降格され伯爵位を得ているが、降格になつて終わるわけがない。
大帝国の皇族に手を出してその本人は精神的な病を患っていると言う理由で謝罪もしない。
自分の非を認めていいない。
今は邸に監視をつけて幽閉をしているけど。
「ライオネルは貴族籍を除籍になっても当然だと思ってるが、貴族を辞めればいいわけではない」
「ええ…」
それだけで責任が取れるはずがない。
ミレーヌは成人してないと言えど、周りからの誹謗中層が酷くなる一方だった。
「ライオネルはミレアルと別れる決断をした」
「えっ…」
何があっても、周りに何を言われても別れる事だけはしなかったライオネルが、ミレアルと離縁を決断したと聞かされ驚きを隠せなかった。
「こうなった以上は致し方ない」
「もう少し抵抗すると思いましたが」
「もう無理だと思ったのだろう」
ライオネルがミレアルの手を放す選択を取った事が予想外だった。
(お父様…)
ライオネルの気持ちの変化があったのだろうかとも思った。
それともミレアルが望んだのだろうかと。
「ミレアルはもう壊れてしまっておる。ライオネルはもうダメだと思ったのだろうな」
「何がそこまでさせたのか解りません」
ラインハルトはいかに過去の恋心と親友への罪悪感があったとしても、ここまで問題を引き起こしたミレアルを庇った理由が理解できないでいた。
「ずっと過去に囚われてた…そしてミレアルを守ることが役目だと思ったのだろう」
「何が守るですか。あの女の所為でどれだけの人間が傷ついたか…仕事は出来ても人として成長できない大人ではないですか」
「ラインハルトよ。人はそこまで完璧でないのだ」
痛い言葉であったが、オズワルドはラインハルトの言う言葉が正論過ぎて頭が痛かった。
「私の教育が至らなかった所為でもあるが…ようやく決断をしたのだがな」
「どうせあの女がまた馬鹿な事を言ったんでしょう?」
「お兄様…」
既に母と呼ぶ所か生ですら呼ばなくなったラインハルトはミレアルに嫌悪感しかなかった。
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