愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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助けてくれると思った。
なのに、ライオネルの表情は怒りと落胆に失望と憤りが宿っていた。



「この度は誠に申し訳ありません、メイヤー伯爵」


「私に謝る事ではございません。ですが、それ相応の処分を覚悟されるべきです。下手すれば貴方の立場もないでしょう」


「覚悟はできております。最悪の場合は…」


「待って貴方!私は!」


「君はどうしてこんな馬鹿な真似をしたんだ…そんなに気に入らなかったのか!シェリラ様が…ミレーヌまでも罪人の子供してどうしたかったんだ」

「そんな言い方あんまりよ!」

「君は国家反逆罪に等しい事をしてしまったんだ…私は良い。だか、ラインハルトの未来まで奪う気か!」


既に侯爵家と関りを断ち独立しながらも細々と生きていければ良かった。
自分のして来たことの罪を考えればと懺悔しながら静かに生きて行こうと思ったのに。


王都に留まったミレアルとミレーヌは立場を弁えず問題を起こしてばかりだった。
与えられた領地で必死で働き、領民からも信頼を得られるようになり、新しい事業を行い軌道に乗って来た矢先に今回の事件が起きたのだ。


「貴方にとって家族は誰なの?私とミレーヌでしょう?」

「ラインハルトもシェリラも私の大事な子供だ!どっちが大事かなんて考えた事はない」


(いや…違うな)


ずっと間違え続けた。
シェリラを苦しめ、ラインハルトを追い詰め続けたのは自自身だった。


「君を愛していた…だけど、私の愛した君はあの時に消えていたんだな」


何時から変わってしまったのか。
最愛の恋人との別離の苦しみにでから逃げたミレアルは自分だけしか愛せなくなった。


「私は君を愛したかった。愛されたかった…だが君は自分しか愛せなくなった」


「何よ…何よ!」


ミレアルは責められることが耐えられなかった。



「ずっと私を裏切り続けたのは貴方も同じじゃない…あの女の子を養女にして!嘘つき」

「嘘じゃない。シェリラは元から分家筋で引き取る予定だった…親友の忘れ形見だ」


本来なら養女として迎える事はなかった。


だが、タイミングが最悪だった。


「君が望んだんだろう」

「でも、あの女の運だ子供なら受け入れなかったわ!汚らわしい…内心ではシェリラは底意地が悪かったのも頷けるわ」


「ミレアル…」

「悲劇のヒロインぶってミレーヌを悪女に仕立て上げたんだもの!たいした策略家だわ!」


言ってはいけないことを言ったミレアルにライオネルはもう耐えられなかった。


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