愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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残されたミレーヌにも敵意が向けられた。



「最低ね」


「メティア!」



ミレーヌを睨むメティアは先ほどまでのやり取りを黙って見ていた。
口を挟むべきではないと思いを黙っていた。


「リシャール様、この期に及んで庇う気ですの?隣国の皇帝陛下の叔母君に暴行を働いた方ですのよ?」

「そんなつもりはない…」

「シャル様!」


リシャールも蔑んだ目を見て責める様な視線を向け、ミレーヌを庇う気はなかった。


「ミレーヌ嬢、帝国の皇族であるリアンティーヌ様は我が国とっても大事な方だ」

「シャル様?」

「彼女に暴力を振るい謝罪もなくそのまま逃げる行為は卑怯だ…なのに君は平然としている。まるで当然のように。君はシェリラ嬢が邸でも虐待を受けているのを傍観していたのか?」

「何を言ってますの?虐待だなんて…躾ですわ!親として…」

「そうか。解った」


リシャールの言葉でミレーヌは笑みを浮かべた。
味方になってくれると間違った解釈をしたのだったが。


「私が馬鹿だった…君は日ごろから姉が暴行を受けられても平気でいられるような歪んだ心を持っていたんだな」


婚約して当初の事を思い出す。
二人は姉妹でありながらも母親に厳しくされるシェリラ。

遊びたくても勉強ばかりで我儘も全く言わない。
ミレーヌはシェリラに嫌われていると言っていたが、全て噓だと解った。


親子関係も良くないのは、ミレアルが差別的な扱いをしていたからだ。
表向きは王太子妃候補のシェリラには厳しくすべきだと言われていたが、ミレーヌには甘やかすだけだった。

違和感を感じたが、何の役割もなく不憫だと思ったのだろうと解釈したが。
ただ噂に流されていたにすぎない。


ミレアルはシェリラを利用し続けていたに過ぎないのだから。


「僕は過去の自分を恥じる。噂に惑わされ君が哀れだと思ったが、君は自分しか愛せないんだろう」

「酷いシャル様…」

「もう何を言っても無駄のようだな。だが忘れないでくれ…君の母親は他国の皇族に暴力を振るった。罪人だ」



既に高位貴族ではなくなり、伯爵夫人でしかないミレアルは下級貴族ですら相手にされていなかった。
だがお節介な下級貴族は同情的だったが、今回の事で味方はいなくなるだろう。


「これ以上王家に、国を侮辱する真似は許しませんわよ」

「何で…」


「今すぐ彼女をつまみ出してください」


これ以上ミレーヌをこの場に置いておくわけにはいかず、スーザンは騎士達に命じて無理矢理つまみ出す。


「何をするの!」

「ミレーヌ嬢、もう会う事はありません」

冷たく言い放ちミレーヌは騎士達に無理矢理連れていかれることになった。




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