愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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閑話10過去編ミレーヌ⑧

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翌日からミレーヌは謹慎処分を言い渡された。
後宮では部屋から出る事は禁じられ、監視の目が常にあった。


そこでへこたれるミレーヌではなかったが、リシャールの渡りがまったくなくなった。


(どうして私がこんな目に!)


外がどうなっているか解らない。
世話をしている侍女は必要最低限の事しか話さないし世間話をする事もない。


仕事が終わったら早々に部屋を出て行く。


「私は何も悪くないわ。なのに囚われの身じゃない」


部屋に閉じ込められて自由に外を出歩く事も出来ない。
リシャールにも会えない事で怒りを別に向けていたのだった。


「お姉様の所為よ。死んでも私の邪魔をしているのね」


今まで何かあれば悪いのは全てシェリラの所為にして泣けば全て解決した。
悪いのは全部シェリラ。

ミレーヌが泣けは全て許される。
なのに後宮では誰もミレーヌの願いを聞いてくれる者はいない。

当たり前だ。
もう我儘放題をしても許される立場じゃない。

特に側妃という立場危ういものだった。
過去には側妃とはトカゲのしっぽ切りに使われていたので。

女性関係の問題が生じた時は側妃が犠牲になる。
だからこそ側妃は常に自分の行動に責任を持たなくては王宮で、後宮で生きて行けないのだ。


自分のどれだけの価値があるから王に見せつけ、才能を発揮する事で評価される。
反対にただの愛人や下っ端側妃など直ぐに切り捨てられるのだ。


その意味を理解していない。



ミレーヌは自分で努力をせず当たら得るだけの愛情を欲した。
与えられるのが当たり前すぎて自分から他人に何かを与える事をしなかったのだから。




「私は悪くないのよ。そうよ…」


『本当にそうなの?』


「お姉様…」



暗がりの中声が聞こえ振り返ると鏡に映るのは死んだはずのシェリラの姿だった。


「何で…何で今さら!」


ここにいるはずがない。
これは夢に違いないと思いながらもシェリラはミレーヌを憐れむように微笑んでた。


『可哀想な子』

「は?何を言っているの!可哀想なのはお姉様じゃない!私はお姉様の愛した人と結婚して幸せになるのよ…その内王妃になるんだから!」


今は側妃でも過去に側妃が王妃になったケースは多い。
リシャールに愛されてると思っているミレーヌはいずれヴィオレットが廃妃されると思い込んでいた。


「私はこれからもっと幸せになるんだから!」


まるで自分に言い聞かせるような言葉だった。


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