愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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閑話10過去編ミレーヌ⑥

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公の場ではリシャールの隣に立てるのはヴィオレットだった。
その次に上級側妃だった。

彼女達は同盟国や他国の代表を招くうえで大事な役目を担っていた。
その為に常に勉強し、マナーレッスンは勿論の事専門的な勉強もしていたが、お妃教育も特別な教育を受けてこなかったミレーヌは後宮で淑女教育を受けていた。


「こんな事もできないのですか!今まで侯爵家で何を…いいえ、スーザン様を不当な解雇をした方ですものね」

「なっ…」

後宮にて淑女教育を受けていたが、通常ならできる事ができなかったミレーヌ。
以前にも邸内でスーザンが臨時の家庭教師として来ていたが、折り合いが悪くミレーヌはスーザンを嫌った。


「まったくなんてお下品な仕草!」

「きゃあ!」


鞭を取り出し姿勢を崩せば鞭で打った。

「何をするの!」

「最低でも二週間で真面な歩き方ができるようにするように仰せつかっています。私はスーザン様のように甘くありませんわよ」

「貴方!私を誰だと…」

「姉君から婚約者を寝取った方でしょう?この後宮で権力は一切使えませんわよ?まぁ持参金もろくにない貴女にはそこまで価値はありませんが」

「それは!」



ミレーヌが嫁ぐ時は、最低限の持参金だけだった。
ラインハルトは嫁に出したと同時に絶縁状態となり、ライオネルは子爵の爵位を貰ったが、領地で問題が続き金銭的も苦しかった。


「まぁ、文句だけは一人前ですのね」

「ふざけないで!」

「声を荒げないでください。貴族令嬢の子供でも解りますわ。シェリラ様は感情を表に出されませんでしたのに…やは生まれの悪い方から生まれた方は」

「お母様は高貴な生まれよ」

「は?」

ミレーヌは高貴な生まれだと自負していた。
ライオネルは侯爵家のうまれでミレーヌは伯爵家出身だが、何代も続き大貴族と信じて疑わなかった。

「私の母は…」

「没落した伯爵貴族令嬢が高貴…呆れましたわ」

「は?」

「まさか、母君にそのように教えられたのですね。見栄っ張りだけは国一番ですわね」


ずっと幼い頃から信じて疑わなかった。
ミレアルは高貴な存在で伯爵家でも良い家柄で王族に嫁げる程の家柄だと。

だから伯爵令嬢であっても侯爵家に嫁げたのだ。


そう思い込んでいたのだ。

なのに現実は残酷だったが。


(嘘よ信じないわ。私のお母様は高貴な身分よ…そうよ嘘に決まっている)


自分に都合の悪い事は信じなかったのだが。
爪はじきにされ、何の役目を与えられないことを不満に持ちリシャールに告げ口をした結果。


一度だけ晩餐会の席に見せ場を貰う事ができた。

しかしそれが返って自分の立場を悪くすることになるなのだった。


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