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しおりを挟む四人が前世の記憶取り戻した時期は曖昧だった。
ただタイミングは悪くなかった。
何故なら婚約して直ぐの頃だったからだ。
リシャールとシェリラとの関係が壊れる前だったのだから。
「私の力と三人の協力により、時を戻る事ができました」
「そうだったのですか」
「ですが、時を戻したからと言って過去に起きた不正を正せたわけでもありません」
「陰でリシャール殿下を唆した者。そしてシェリーを始末しようとした者達だ」
「えっ…」
この時シェリラは知らない間で大きな力が動いていた事に気づく。
「考えて見れば解る事です。いかにリシャール様が頭が緩いと言えど、婚約者の妹を婚約者に迎えるまで至る程馬鹿でしょうか」
「ヴィオレット」
「王太子殿下として足りない部分はあれど、頭は悪くなかったのですが」
「陰で糸を引いていた者がいるのは確実だが、時が戻る前に犯人を特定できなかった」
(一体誰が…)
シェリラは死後の後どうなったか解らなかった。
「最悪の未来でしたわ。だけど国が他国に乗っ取られる事は防ぐことができましたの」
「それは…」
「メティア様です」
ここでメティアの名前が出た事に驚くシェリラ。
「以前からオルレノア国の技術には目をつけていましたの。そこで私は同盟を結びましたの」
「お待ちください、ヴィオレット様が?」
「ええ、戴冠式にてお祝いに来てくださったのがメティア様でしたので」
その言葉で気づく。
戴冠式とは誰の事なのか。
「お前が亡くなった一年後、ヴィオレット様は立太子して直ぐに女王となったんだ」
「そんな!」
「考えて見れば解る事ですわ、私に政務を任せるだけの王太子妃にして何もできない王太子。寵妃はやりたい放題をして大事な同盟国の寵妃を愛人だと侮辱して関係をぶっ壊して国の半数の家臣の心は離れました」
(なんて事を…)
ぶち壊したのは言うまでもなかぅた。
だが、阻止する事ができない程ヴィオレットは無能ではない。
「少しばかりお膳立てはしましたわ。リシャール様があの馬鹿の見せ場を作れと言いましたので」
「まぁ、予定よりも馬鹿な行動をしてくれたおかげで他国にもミレーヌは何処まで愚かなのか広まった。そのおかげで母上とミレーヌは社交界では孤立した」
(どうして王都に残ったのかしら?)
そうまでして王都に残る理由は何だったのか。
ミレーヌが側妃として嫁いだ後に領地に引っ込んでいた方がダメージは少なかったのに何故と思った。
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