愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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アニシアの秘密を知ってしまったシェリラは早くミレーヌと決着をつけなくてはと焦っていた。

(このままでは死人が出るわ)


アニシアの表情を見て本気だと察した。
敵と判断した人間は追い込み徹底的に潰しにかかるのはヴィオレットも同じだった。



「早く接触をしないと」

「誰と接触するんですの?」

「ヴィオレット!」


ノックをしながら入って来たヴィオレットに驚く。

「声ぐらい…」

「何度もかけましたわ。気づきませんでしたの?」

「うう…」

没頭し過ぎて気づかなかったので何も言えなかった。


「何かを調べているようですね」

「えっ!」

「大方、あのお馬鹿さんともう一度を話しをしようとか考えているのではないくて?」


すべてお見通しだった。
隠れて調べていたが既に筒抜けだったようだ。


「お姉様、この後に及んで平和的解決なんて時間と労力の無駄です。いいえ、人生において最も無駄でしかありませんわ」

「ヴィオレット…」


扇を広げながら冷めた目を向ける。
むしろヴィオレットの方が悪役に見えるのだが…


「私は今さら平和的解決する気はないわ」

「ならば二度と二人きりにならないでください。丸腰で会おうなんて、飢えた野犬に最高の肉を放り込むようなもの」

「肉に例えるの!」

「ただの例ですわ」

もう少しマシな例え方はできないのかと思う一方で、何処か怖がっているように見える。


「ヴィオレット、何をそこまで怖がっているの」

「怖がる?ご冗談を…この私に怖い物はありませんわ」

「ならば何故ここまでするの?私は公爵家に養子縁組をした後に、フィディオ様の婚約者としてお披露目もしたわ。今さら…」

「甘いですわ!甘すぎます!」


普段の余裕のあるヴィオレットとは違った。


「どうしたの?落ち着いて…」

「解ってませんわ!貴女はあの親子がどれだけ最低な事も。どれ程酷い事をされたか忘れましたの?前世であれだけ屈辱を受けて」

「ヴィオレット!」


握りこぶしを作り震えるヴィオレットは今でも許せないでいた。
過去をかけることができても完全に安心する事ができなかったのは。


まだ確実ではないからだ。

そして未だに排除すべきものを排除できていない。


「あの親子は貴女が亡くなった後何をしたか…絶対に許さない」

「落ち着いてヴィオレット!」

「私は!」


シェリラはただヴィオレットの手を引き抱きしめた。


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