愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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今から数日前。
王宮にて侵入者が襲って来た。


「きゃあああ!」

「騒ぐな!抵抗すれば殺す!」


その日は警護が手薄だった。
しかし手薄と言ってもこうも簡単に侵入できるのは不自然過ぎた。


「我らは他国との同盟など認めない!異教徒の姫など」

「汚らわしい血で王家を汚す等!」


集団は反オルレノア派だった事が解った。


「止めろ、メティアに手を出すな!」

リシャールは他国から嫁いできて不安も多いであろうメティアを守るべく前に出たが。


ズガァン!


「えっ…」


銃声の音が聞こえ集団の男は倒れた。


「貴様ぁぁぁ!」

「煩いですわよ」

懐から武器を出して襲い掛かって来る手段にナイフを投げ急所を狙う。

「くっ…」

「背後を見せるとは愚か者」

「ぎゃああ!」

床に落ちているナイフをダーツのように扱い男達に投げて行く。
あっという間に壁に貼りつけにされ片付いてしまった。


「私狩りは得意ですの」


(((いや、違うだろ!)))


一国の姫が暗殺集団を制圧するなんて聞いた事がない。



あっという間に暗殺集団は捕らえられ主犯は文官だった。
自分の娘を王太子妃にしたくてメティアの暗殺計画を考えていたが、中々しぶとく上手く行かなかった事から今回の計画を実行した。


背後には王族もいた。
メティアに何かあれば両陛下も引きずり降ろせると思ったが、メティアの活躍によって計画は潰されたのだ。


その場にいたシェリラも固まっていた。




「あの事件は忘れられません」


「そうですね」


誰一人としての動けない中、メティアは一人で制圧した後にその場にいた新聞記者が記事とした事で評価されたのだ。


強い女性は貴族令嬢からはしたないと言われながらも国民は別だった。
王家の命を救った勇敢な姫を嫌う者はおらず、新聞記者もメティアを褒めちぎり、評価は鰻登りとなった。



「連中も誤算だったでしょうに」

「ええ、嬉しい誤算ですが」


婚約式前の騒動だったが、この婚姻を喜んでいる側からすれば喜ばしかった。


「ただ、まだしぶとい方もいます」

「はい…一部の方ですね」

「言いたくありませんが、その一部の中にも」


フィディオは口にしたくなかった。
シェリラが悲しむことが解っていたからだ。


「大丈夫ですわ」

「しかし」



フィディオは未だにシェリラを苦しめる存在のミレーヌが許せなかった。
既に侯爵家から追い出された状態だが王都に残り貴族として生活する傍らで問題を起こしているミレーヌ。

社交界では孤立していても、まだリシャールを諦める気はなく、シェリラを悩ませている事が許せなかった。

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