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しおりを挟むオズワルドと一緒に庭を散歩しながら、庭園でお茶をし直す。
「今日は天気が良い。こんな日は外で過ごすのが一番だな」
「お外に?」
「そうだ、この老いぼれとデートをしてくれぬか?」
手を差し出しエスコートをするオズワルドにおかしくなる。
「もう、お祖父様ったら」
「外に出て食事をして買い物につきあっておくれ」
「でも…この後すぐにレッスンが」
「今日は課外授業だ」
少し強引であるがオズワルドと過ごしたいと思っていたので受け入れる事にする。
(どうせ何をしても責められるのだからいいわ)
レッスンを休んでオズワルドと出かけたら何か言われるだろう。
時間が巻き戻る前も、オズワルト一緒にいるよりもレッスンを優先させ、一緒に話をしているだけでも怒られていた。
(今思えば、お母様は何故あんなに怒ったのかしら?)
勉強をサボったわけではないのに、オズワルドと少しお茶をしただけでも怒り、休憩する暇があるならもっと努力しろと言われることおあった。
サロンに連れて行ってもらえば、王太子妃が学者と勉強する必要はないと言われたりしていた。
高位貴族が慈善活動をするのはまだまだ少ない。
宮廷貴族等で酔狂だと言うのだけど、王家や先代王妃に王女等は珍しい事ではない。
ただ、身分の低い者と接することを良く思ってない貴族が多く。
ミレアルも身分が釣り合わない者と親しくするのを極端に嫌っていたのだ。
(もしかしてお母様は怖いのかしら)
客観的に見れるようになったミレアルは身分の引く貴族や商人に学者に対してコンプレックスのような物を感じているのでは?と思うようになった。
そして常に社交界の評価を口にしている事から噂を気にしていると思った。
「どうした?」
「いいえ、何でもありません」
もう考えるのは止めようと。
過度な期待はしなと決めながらも心の奥底で何かが引っ掛かっていた。
「お嬢様、外は熱いですので帽子を」
「シロカ、帽子は必要ない。街で買い物に行き、そこで買うからな」
「さようでございますか。では日傘だけはお持ちくださいませ」
日差しが強いと心配だと言う過保護すぎるシロカに日傘を渡される。
「旦那様、馬車の準備がと整いました」
「ラーモ!」
オズワルドの従者ラーモ。
平民でありながらも優秀だったのでオズワルドが傍付きに迎えたのだ。
「ご無沙汰しておりますシェリラ様」
「ごきげんよう」
兄のように慕っていたので会えて嬉しくなる。
「本日は私がお供させていただきますので」
「お願いね」
出かけるのが楽しみになって来た。
「では…」
「シェリラ!」
馬車に乗ろうとしたが、ミレアルにより止められれるのだった。
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