愛されない私は本当に愛してくれた人達の為に生きる事を決めましたので、もう遅いです!

ユウ

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一人になり天井を見上げる。

「お兄様…」


ぎゅっと手を握り、シェリラは決意をする。


「ごめんなさいお兄様…私の所為で」


どうしてこんなことになったのかは解らない。

「何故体だけ戻ったのかしら」

手を見て思い出す。


「私は修道院に行く途中に事故で…」


不名誉な噂でシェリラは妹を虐げた高慢で氷の令嬢と呼ばれ、婚約者にも信じて貰えずに罰を与えられた。

嫉妬に狂い殿下の寵愛を受けた妹に陰湿な嫌がらせをした。


『こんな女と好きで婚約する訳じゃない。ミレーヌと一滴でも繋がっているのか』


どんなに努力しても。

『疲弊している国民に炊き出しする事が何故いけないんだ。金の亡者が!』

国の財政の為に助言してもすべて裏目に出て。


そして――。

『妹を虐げる様なお前は人間じゃない!魔女だ』

物言いがキツイ事から私は社交界でも妹を虐げていると噂を流され婚約破棄をされた後に。


『貴女なんて生まれてこなければよかったのよ!』

『罪を償いなさい。まったくなんて事を…ミレーヌを』

どんなに訴えても信じてくれなかった。


両親は愛想が良くて甘え上手な妹を溺愛していた。

本当はミレーヌを王太子妃にしたかったが、この国の決まりと適正故に叶わなかった。


だけど――。


『シェリラは言葉がキツイかもしれませんが苛めなどするはずがありません!』

『お嬢様を追放なんて酷すぎます!』

邸でシェリラの味方はお兄様と傍付きの侍女のシロカだった。

祖父は領地にいる為に連絡を取れなかった。
二人は最後まで私を守ろうとしてくれたけど、父親は聞いてくれず。

『妹を思うなら罪を償わせるべきだ。シェリラに同情するのは解るが…』

『父上はどうして聞いてくださらないのです!シェリラの声を…どうしてミレーヌの事しか信じないのです』

『いい加減にしなさい!』


シェリラを庇い続けるラインハルトは母に折檻された後に直ぐ謹慎の身にとなった。


そしてシェリラは修道院に送られることになった。
最後にシェリラは親切にしてくれた王弟殿下にお会いたかったが罪人の言葉を聞き入れる者はいなかった。


雨が降る中罪人が乗る馬車に乗せられた後に。


馬車は雨の所為で車輪が滑り崖から落ちたのだ。


そして――



「気づいたら戻っていた」


どうして戻ったのか解らない。

だけど過ちは繰り返さない。


「私は愛する人達を守るわ」


愛してくれない人に期待するのは止める。

本当に愛してくれた人の為に生きる事を誓ったシェリラは愛してくれない人へ期待をするのを諦めたのだった。

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