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第二章
46予想外
しおりを挟むカイトさんに証拠品を渡した翌日。
社交界で感染病が流行してしまったらしく。
「うっ…何これ」
「頭が痛い」
「うっぷ」
下痢や嘔吐に高熱が発症され、酷い時はそのまま亡くなる事もある。
この病は十年前にも流行した病気の一つだった。
コロコロリンだった。
名前こそは可愛いけど、コロリンと倒れてすぐに亡くなる。
ベッドに寝込んでそのまま起き上がる事は出来なくなる病だったのだけど。
十年前の病ならばワクチンはあるのだけど。
「ひっ…ハッハッ!苦しい」
「早くなんとかしてくれ!」
「助けて」
三人の病気はコロコロリンに似た病であるが別の病気も持っていたそうだ。
長い間不衛生な生活をして、お姉様に至っては薬物依存嬢もありワクチンを打っても免疫力と抵抗力が無かったようだ。
「特に奥方様は糖尿病を患っておりますので、治療が難しいでしょう」
「ご息女は足から病が充満して来ていますので足を切り落とす必要があります」
「「なんですってぇ!」」
王都内で病気が充満した所為で貴族の邸には宮廷医師が派遣され、感染を防止する為にワクチンを打つ事を義務付けられていた。
病が軽い人はワクチンを打って療養で終わるけど。
三人はワクチンを打っても治療が必要なので隔離を義務付けられることになり邸から運ばれることになった。
「待って…何処に連れていかれるの」
「嫌よ。足を切るなんて…止めてぇ」
「私はどうなるんだ!」
早々に運び込まれた三人は体は動かないが叫んでいた。
「ちょっと!何をしているの!助けなさいよ」
私達を睨むお姉様だったが。
「そんな義務はない」
「えっ…」
「あがっ…貴方は」
運び込まれる前に現れたのは変装をしたルシウス様だった。
「サロンにいた商人…」
「ああ、それと」
眼鏡とかつらを外したルシウス様を見て驚く二人。
「久しいな」
「伯爵様…私を迎えに来てくださったのね!」
「まぁ、早く助けてください。あのろくでなしは死んだのね!」
私は怒りすら抱かなかった。
呆れて物も言えなかったのだから。
「助ける?貴方達は隔離される施設の前に牢屋行だ」
「殺人罪、殺人未遂、詐欺罪、もろもろありましてよ?」
隣に立つダリア様の笑みが恐ろしかった。
「アンタ…」
ピシッ!
「きゃああ!」
「言葉を慎みなさい雌豚が」
「なっ…」
「私の鞭で殴られたくなかったら息をしないでくれる?汚らしい」
ダリア様は鞭で床を叩き脅しをかける。
違和感がないのがすごいわ。
でもどうしてここに。
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