身代わりで鬼姑と鬼小姑の元に嫁ぎましたが幸せなので二度と帰りません!

ユウ

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第二章

39手紙~アゼリアside

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黒猫一派の協力と諜報員を派遣して内々に調べたけど。


「中々やりますよ。うちのボスは」

「お姉様は何時からボスになったの?」

「あの日からです」


ローレンツがお姉様を敬愛してボスとして敬意を持っている。
本来なら立場の違いを理解すべきなのでしょうけど、お姉様が望まなかった。


「あの屑野郎が、姫さんに下働きをさせやがって」


「かまど部屋に寝泊まりさせよって!殺したる!」


早い段階で彼等がお姉様の安否を確認できたのは良かったけど。
生活は悲惨な状況だった。


すぐに対策を考えたけど、お姉様は望まなかったから私は何も言わなかったけど。
形は違えど彼等はお姉様の騎士だった。


「今すぐ捻り上げてやりたいわ」

「あのハムには少し下剤を混ぜやした!」


お姉様を守る為に必死で動いている。
人を動かすのは権力でもお金でもない事を私はお姉様に痛い程教えられた。


「死なない程度ならいいわ。お姉様に万一暴力的な事をするなら射殺しなさい。私が許すわ」


「お嬢様、アンタは意外に冷静だな」

「あの馬鹿程度に私のお姉様が遅れを取るわけないでしょう?」


本来なら殺しても殺したりないけど。


「このまま国の法律に任せても罪に問えないわ。数年で娑婆に戻るけど、いいの?」

「いいわけねぇだろ」

「私は無様な姿を晒し、貧乏生活をしながら苦しみながら一生自分を呪い生きて欲しいのよ」


殺す?
そんな生ぬるい真似許さないわ。


お姉様は十年以上もどんな思いでいたか。
なのに誰かを恨むことをしなかったのは、お姉様が強いからよ。



「私、敵は徹底的に潰す主義なの」

「奇遇だな。俺もだ…特に身内に手をだすなら貴族であろうと関係ない」


ローレンツは中々いい性格をしているわ。
お姉様が慕うだけの気骨のある男で私もそれなりに認めているわ。



「アゼリアお嬢様!」

「シアン、どうしたの?」

「グレーテル様からお手紙が」

「見せて」


まさかこのタイミングで…まさか何かあったのかしら?


「これ手紙っていうのかしらね」

「お嬢ちゃん…」


手紙を確認すると無いような子供の日記のような事だった。
身辺状況は簡潔に書かれており、一緒に花の栞がはさまっていただけだったが。


「まってくれ、その花は闇オークションで売られている花じゃないか?」

「何ですって!」


「俺は闇オークションの事も調べている。その中で一時期悪魔の花が売られていたんだ」

「私も調査に関わっておりました」


麻薬などの危険な薬物をあの馬鹿家族が手にしているとの情報は合った。
裏で売りさばいている可能性もあると聞いていたけど、闇オークションにも参加していたなんて。


まさかお姉様はわざと栞にしたの?



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