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第二章
37新しいメイド~アルミナside
しおりを挟む新しいメイドを紹介された時、冴えない地味な女と思った。
所詮は育ちの悪い平民のメイドだった。
侍女を雇うのはお金の無駄だから住み込みのメイドを雇う事にした。
雑用しかできないのだから住む場所を与えれやっているだけも感謝すべきだった。
だけど、シーラとハルミールだけでは手が足りない事から住み込みで募集をかけたそうだ。
ただ貴族では後々面倒だから平民なのが給金を支払わずに済む。
だって屋根の下で済んでいるんだから必要ないわ。
食事だって一日一食で死にはしない。
最近は物価の値上がりに、レストランの経営が上手く行かず。
食の祭典で出した商品が売れなくなってしまって借金が膨れてしまって正規の使用人を解雇せざる得なかった。
だから少し知恵を使った。
お針子をしていたシーラは馬鹿だった。
その親も。
母親が病気で少し脅せばいう事を聞く。
このまま脅し続ければいい。
どうせもうすぐ母親は死ぬのだから、その次は父親が病気になればしばらく従うだろうし。
もう一人のメイドだって私のいう事を聞くだろうと思ったのに。
「私のドレスは何処!」
「染みになっていたので、綺麗にしておきました」
「あれな模様よ…いやぁぁぁ!」
あのメイドは頭がイカレていた。
「綺麗に染みを抜いて色を付けてもらいました。レースは邪魔なので質素にして寒いですから露出を無くしました」
「私の大事なドレスが…しかもこれは修道女じゃない!」
「嫌ですわお嬢様。修道女は真っ黒。これはベージュですよ!後は髪は紐にしましょう…パンをぶら下げているようですし」
「パン・・・」
私の自慢のヘアアレンジを。
髪結師に三時間かけて結わせたのに!
「そうです。折角ですから破れた洋服も繕ってみまなしたよ」
「ひぃ!」
私のドレスや普段に切る洋服はダサい服装になっていた。
「私の酒は何処だ!」
「なんなのこの匂いは!」
隣の部屋でお父様とお母様の悲鳴が聞こえる。
お父様も真っ青になっている中、この匂いはなんなの!
「東の国では健康に良いお香を焚くそうです。香水は全て処分しましたので!」
「処分ですって!何を勝手な」
「掃除をするようにと…」
「部屋の掃除をしろと言ったのよ!何勝手な事をしているのよ」
「お任せください!」
何がお任せくださいよ。
任せられるわけないでしょうが!
「お食事の準備をしてまいります。本日は野菜のスープに麦パンとピーマンのパンケーキです」
「ちょっと!パンケーキを作れと言ったけどピーマンなんて」
「お庭に沢山できてましたので」
このメイド!人の話を全く聞いていないわ!
折檻しても、罰を与えてもまるで効き目がなくあの馬鹿を思い出す。
不愉快なグレーテルを!
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