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第二章
36無自覚に攻撃
しおりを挟む私の部屋が屋根裏部屋からかまどの近くに変わった事で変わったのは。
「うん、焼いたマシュマロ最高」
新生活を堪能していた。
私の仕事は掃除に買い出しや、料理の下ごしらえは私の役割になっているが。
食事がほとんど当てられない中、お姉様たちが食べないで捨てる食材や気に入らないお菓子をちょろまかしている。
「こんなに美味しいのに可哀想」
華やかなお菓子を好むお姉様はクッキーやチョコが良いのだけど、商人の息子さんからマシュマロを送られたが気に入らず捨てたらしい。
聞けば新しい新商品にどうかと贈ってくれたらしい。
「この溶け具合にこの甘い香りがいい」
今度シーラにも食べさせてあげたいな。
「うーん!美味しい…ぶっ!」
紙の束が顔にぶつかる。
「何にこれ?」
捨てるには随分と良質な紙だと思い貰う事にした。
「これ再利用したら封筒にできるわね。すごい上等だし、便箋に使えるかも」
シャトワール家は裕福であるけど、無駄な贅沢はしない。
メモ用紙に関してもリサイクル精神を大事にしていたし、丁度良い。
「何時まで油を売ってんだい!早く煙突の掃除をしな!」
「ハム夫人、そんなに怒っては美容に悪いですよ。手遅れではありますが」
「アンタ。殺されたいのかい!」
「いえいえ、善意にですよ。それに怒ってばかりだとま便秘になってお腹が膨れます」
「何で知ってんだい!」
何故かって?
良くお腹をさすっているし、あのお腹は数日間便秘な証拠だ。
だってガスの匂いが殺人的だったから。
「そうだ、この紙で手紙を書こう」
便箋を買おうにも給金は真面に出してくれないし、何より。
「ちょっとマル!」
お姉様、名前すら真面に覚えられない程記憶が悪くなったんですか。
「マルガレーテです」
「アンタの名前なんてどうでもいいわ!そんな大層な名前生意気よ!」
「何か御用でしょうか?」
「何なの今日のお茶は…料理だって味が薄いわ」
「お嬢様はご病気とうかがいましたので体の良い食事にさせていただきました」
「勝手な事をしているんじゃないわよ!あんなオートミールのような食事なんて食べられるわけないでしょ!私のドレスの準備をしなさいと言ったはずよ…なのに何なのあの下着」
「寒いので毛糸の下着を用意しました」
お姉様の下着はスケスケだったから全て交換した。
それに破れて使えなさそうだったし。
「敗れた下着は全部処分しましたので、体が冷えないようにこのようなものも」
「何なのよそのダサいのは」
「腹巻というものです。お腹につけると温かいですよ…お嬢様のドレスもこの際こんな感じに」
「ちょっと!その一昔前のデザインのドレスを私に着ろって言うの!」
ドレスを見せるとお姉様は喜びのあまり叫んでいた。
うん、喜んでくれて良かったわ。
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