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第二章
17従業員
しおりを挟む順調にお店の売り上げを上げることができ。
お店も大繁盛となり売り上げで利益の内の二割は私の収入、二割はローレンツさんに任せ。
五割は維持費と寄付金と後は保存食の爆買いをお願いした。
「しかし何でこんな食えない肉を大人買いするんだ?」
「筋が入った肉に、牛肉の骨じゃねぇか」
そして私は重宝したのは牛肉の骨だ。
骨と言っても少しだけ肉がついているんだけど。
「私が実家にいた時は骨を煮込んで中の油をスープにするんです。それがまた美味しくて」
「お嬢ちゃん…」
「それから骨でスープになるんです。筋肉も一晩煮込めば絶品で」
これも市場のおばさんに教わった料理だ。
「グレーテル嬢ちゃん!アンタ、そんなに苦労していたのか!」
「そういや、初めて会った時も手が赤切れだらけだったな」
今は手入れをしてもらって白くてすべすべの手だけど。
数か月前の事を思い出す。
「いやぁ、それ程でも」
「グレーテル。褒めてないぞ」
「あ、ルシウス様」
今日は随分早いお帰りだな。
少し顔色が悪いようだけどどうしたんだろう?
「「「「旦那!お勤めご苦労様です!」」」
「ああ…」
従業員総出で頭を下げてお出迎えをするんだけど。
これだけの強面が集まってそんな台詞を言うと刑務所帰りのボスに見える。
「未だにこれダメは慣れないな」
「習うよりも慣れろです」
「君は最初から馴染み過ぎだ」
食料困難も海の近くという理由で回避できている。
特に最近のブームは海産物ではタコだ。
湯でも美味しい、焼いても美味しい。
何より一番なのは生で食べるのだけど肴に最高だった。
「国内でもここまで食料の宝庫なのはシャトワール領地ぐらいだろ?」
「今は王都内では小麦粉の値上がりも酷くなっている。牛肉なんて恐ろしい金額だ」
「だが貴族は未だに贅沢を辞めないんだからな」
「王都内で食糧不足が問題になって事件が起きないといいけど」
王都は便利で物流が集まる場所だ。
でも逆に言えば王都はそれだけ人が集まり物が必要になる。
領地のように特産物を作るのは難しく、暴動が起きなければ良い。
「最近は王都で原因不明な病が流行っていると聞く…大丈夫か」
「せや、王都で食の祭典に参加しているポンチョは大丈夫なんか?」
私達の代表として王都で主催される料理の腕を競う場でもある。
何もなければいいけど。
だけどその二週間後。
「ポンチョ!」
「姫ボス、すまん…」
ポンチョと一緒に食の祭典に参加していたローレンツさんの弟子であるレインさんが泣きそうな顔で謝りながら王都での出来事を話してくれた。
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