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第一章
26温室で
しおりを挟むこれから私は何をされるのだろうか?
人気のない庭園に連れていかれてしまった私は。
「お嬢様、お茶会は」
「あんなの意味ないわよ。下品な事を話して自分の自慢話よ…って、何しているの!」
「少し頂きて来ました」
お茶会のお菓子とお茶を少し頂いて来た。
「やっぱりお菓子は焼き立てを食べないと」
見た事がないお菓子が並んでいたので食べないと持ったない。
きっとすごく美味しいのよ。
まずはこの焼き菓子から頂くことにしたけど。
「うっ!」
見た目はすごく綺麗なのに、この焼き菓子固い。
シャトワール家の焼き菓子の方がずっと美味しいい。
フィナンシェはレモンの香りがして甘すぎない味なのにこのお菓子は。
「甘すぎて、固いし食べずら…」
いけないわ。
正体を受けている身でこんな事を言ってはいけないのに。
「食べない方がいいわ。見た目だけで味は最悪だもの」
「え?」
「まずいんでしょ」
「うっ…まずくはないです。お茶で流せばなんとか」
そうよお茶を。
「どうしたの?」
「マズイ。甘いと思ったら後味が酸っぱくて、最悪だ!それに温い」
口が切れる程マズイ。
シャトワール家のお茶は温度か丁度良かった。
「何で?ジャムを入れないで飲んだ方が美味しいのに。ハイビスカスの花の香りが台無しだわ」
「え?」
「あ、こっちのパンは美味しい」
小さなサクサクのパン。
素朴な味わいだけど、ミルクティーにぴったり合う。
「うわぁー…なんて美味しいのかしら」
「パンじゃないわ。スコーンよ」
「スコーンですか」
「貴女、スコーンも知らないの?どれだけ世間知らずなのよ」
何故かまたしても怒られてしまった。
「スコーンは帝国発祥の伝統的なお菓子なのよ。上流階級ではお菓子と一緒に添えられるぐらいよ」
「お嬢様は随分とお詳しいですね。確かに帝国では数多のパンがあると聞きます。お菓子よりもパンの方が歴史は長いですものね」
「この程度当然よ。貴女本当に教養がないわね」
はい、にわか貴族なので教養はまだ少ないです。
それにしても、アゼリアお嬢様は随分と詳しいようだ。
それに我儘なお嬢様と聞いていたけど、どうは見えない。
「まぁ、真面な教育を受けてないのにしったかぶりしたりしているなんちゃって令嬢よりもマシだけど」
「はぁ…」
言葉が少し厳しいだけで、ちゃんと言葉は通じるし。
「私は社交界にも出た事が無くて、こんなお茶会も初めてなんです」
「貴女、よくそれでルシウス様の婚約者になれたわね」
「やっぱりまずいですか?」
「当たり前よ!ルシウス様はすごいんだから!」
お嬢様は少しだけ気が強いだけとっても可愛い人だった。
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