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94.形だけの家族~騎士side
しおりを挟む宴をぶち壊し、無礼な振る舞いを続けた彼等は人としても終わっていた。
実の姉を殺した妻に、娘が虐げられていたのに気づきもせず、気づこうとしないで娘の稼いだお金で財託残間りをし続け。
領主としての気構えもまるでなく、本当に馬鹿としか言いようがなかった。
妹達は自分さえよければ日陰で苦しむ妹がどうなろうと知った事ではないのか。
聞くに堪えなかった。
私は平民であるが、貴族とはこのようにずさんな関係なのかと思った。
中には貴族でありながらも良好な関係を築いている所もあるが、金の切れ目が縁の切れ目だとい者が多いのだ。
ウィンディア辺境伯爵家は貴族というよりも騎士の家だ。
家族協力し、支え合って生きているのだから、貴族の考え方と少し違って当然かもしれないが。
こんな醜い争いを見せられるぐらいならば貴族になりたくないと思ってしまう。
「醜い…実に醜いですね」
「秘書官殿!」
「これ以上このような醜いやり取りを見るのは時間と労力の無駄です」
借金取りが大勢詰めかけて来ているが、これでは怪我人が出るだろう。
「ある程度見守った後に、死人が出ない程度に止めます」
「よろしいのですか?」
「ええ、少しは反省していただきましょう。今まで自分で何もしてこなかったのですから?少しばかり世間の厳しさを覚える準備運動です。これから待っている日々に比べれば生ぬるいですよ」
黒い…秘書官殿が黒すぎる!
しかし、今までの事を思えば同情は出来ない。
少しだけ哀れであるが。
一時間後、商人達に彼等が労働して働いて借りた分を返す事を告げ、渋々邸を出て行った。
彼等には財産以上に土地が残っているのでそれを売り払い、邸も売った後にステンシル氏は大商会の下働きを死ぬまで行い、妻と娘達は下級貴族の高齢の貴族の邸の下級メイドとして働くことになった。
いわば介護をしろと言う事になる。
十年そこで働き後に、地方の療養施設の掃除婦として働くことになるだろう。
ある意味地獄だ。
あそこは感染病で寝たきりの患者や、戦場で負傷して死を待つしかない騎士達の世話をしなくてはならない。
勿論、彼等は両手も不自由で食事を食べさせ、排泄も自信でできないので辰だわなくてはならないのだから、平民でも過酷な仕事だった。
貴族として贅沢な暮らしをしていた夫人や令嬢には地獄だろうが。
逃げ出す事は許されない。
だが、自業自得だろう。
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