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48.無知な三女~ローズマリーside②

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私の婚約者である伯爵子息のアーベル様から婚約解消をしたいとの話が来た。


「どうして!」

「解らないわ。ただ、これ以上の婚約は続けられないと。お互いの為にも」


アーベル様のご実家は宮廷医師を輩出した名家。
伯爵ではあるけどお祖父様は財務大臣を務め、お父様も優秀で王妃陛下の兄に当たる。

外交官としても有名で三女の私にとっては良い縁談だった。
私は侯爵以下の縁談は断りたかったが、財も地位もあるならば贅沢は言えないし。

病弱な姉君がいるようだけど、邪魔な姉は余命僅か。
そうなれば後は伯爵夫人として私は優雅に暮らす事もできるのだ。

なのにお姉様の婚約破棄により、私の婚約話も影響するなんて。


「手紙には、姉妹関係が良くない家の令嬢を迎えることはできない。我が家は身内との絆を大切にする一族故に、今回は縁がなかった事にして欲しいと…しかも」

「何?」

「まだ何かあるの!」

「アイリスが侯爵家と縁を切ったのならば婚約する意味はないと!」

手紙を握りしめるお母様に私は訳が分からなかった。

何でお姉様が出てくるのよ。

「手紙にはアイリスの妹ならば、病気の姉君とも仲良くしてくれると思ったらしいわ。だけど妹を平気で蹴落とす姉や妹…社交界で他人悪口を吹聴する方とは付き合えないと。ローズマリー!貴女は社交界でどんな振る舞いをしたの!」

「それは…」

私は普段からお母様がアイリスお姉様の事を使用人に行っているようなことを言ったわ。

「お母様が行っているようなことを…次女は我が家の恥さらしで、婚約者も姉に奪われる程情けないとか。後はお母様がアイリスお姉様を恥じていると」

「なんてことを!」

「きゃあ!」

この時、私は初めてお母様に叩かれた。

「社交界でそんなことを言えばどうなるか解らないの!あれが出来損ないなのは事実よ。だけど邸内で私があれに虐待してい虐げているなんて噂が流れているのよ…あげくに慈善活動を美徳だと思っている伯爵家のご子息の前でそんなことを言えば婚約を破棄されても当然よ」

「私は悪くないわ。お母様お言葉全て正しいのでしょう?だから社交界で言ってやったのよ?あの女は我が家に相応しくない、実の子供じゃない…捨て子だって。お母様だって自分の娘じゃないって叫んで暴力を振るっていたじゃない!」

「家でするのと外でするのは違うわ…これで完全に貴女の婚約話は無くなったわ。王族からの婚約所か伯爵家の婚約はないわ…あるとすれば男爵家か、年配の貴族ぐらいよ。後は愛人しかないわ」

「そんな!嫌よ…なんとかして!」


「自業自得よ。こうなったら身分は低くてもお金のある家に嫁がせるしかないわ」

この私がそんな卑しい身分の男と?

耐えられない!

絶対に嫌よ。


「嫌ならばウィンディア家のカディシュ様を誘惑なさい。そもそもの原因なのだから」

「カディシュ様?」


何故あの男の弟を?とも思ったが。

ある意味合理的な方法であることを教えられた。


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