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11.お嬢様の婚約者は騎士様~ロビンside
しおりを挟む何を勘違いしたのでしょう。
アイリス様はウィンディア辺境伯爵家の皆様と親しいお付き合いをさせていただいていました。
社交界でも冷遇され、母君からも冷たくされながらもアイリス様は優秀でした。
その才能を早い段階から気づかれていたユーリ様の母君はアイリス様にあらゆる英才教育を受ていただくようにと、先生を紹介してくださいました。
王都内で一番の楽士や王室家庭教師や、大陸すべてを手中に収めている商人。
ビアンカ・ウィンディア辺境伯爵夫人は才女と謡われた方でしたので才能のある女性の支援を行っておられました。
あの方は実の母君ですらしてくださらなかった事をすべてしてくださいました。
誕生日は邸にて盛大にお祝いをしたり、アイリス様が何か成果を挙げるごとにお祝いをしたり記念日を作ってくださり、アイリス様は本当に喜んでいらっしゃったのです。
私から見てもお二人は仲の良い親子に見えました。
それを壊すような真似をしてタダで済むとは思えませんでしたが、奥様は勝手に勘違いして無理矢理ユーリ様をイライザ様の婚約者にして、早急に婚約式を行ったのです。
ビアンカ様や、ウィンディア辺境伯爵家が邪魔できないように。
既に噂が出回りどうしようもない状況下になる中、婚約後はアイリス様を王都から追いやり田舎の年配の貴族に嫁がせる噂を耳にしました。
私は我慢なりませんでした。
直ぐに両親に勘当してもらい、お嬢様と一緒に逃げようと思ったのですが。
あろうことに、誠実で性根のまっすぐなユーリ様は婚約式で婚約破棄を告げました。
しかも、イライザ様が第二王子殿下に告げられた真実の愛を告げ。
貴族を辞め、全てを捨てアイリス様と共に生きることを宣言した後に薔薇の求婚をしたのです。
まるで舞台を見ているようでした。
なんて美しいのでしょう。
そしてユーリ様はなんて素敵なのでしょう。
私も女性ですから夢を見ますわ。
独身貴族令嬢は憧れの視線を向けました。
本当の騎士の品格を持った方ですわ!
真っ青な表情になるイライザ様に無礼ですがいい気味ですわ。
ざまぁですわ!
自業自得です。
地獄に落ちやがれですわ!
傍観していた旦那様も同罪です。
私は既に辞表を提出しておりますのでお嬢様と合流しなくては。
お嬢様の愛馬と必要最低限の荷物を隠しておきましたが、私と同じことを考えていた人物がもう一人いたのです。
私の戦友であり同士というべき存在が庭に隠れていたのでした。
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