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第二章
59恐ろしきイベント③
しおりを挟む大勢の女性に囲まれ暴行を受けたルクスが心の誓った。
「俺は二度と結婚式にはでないぞ!」
現在治癒を受けているが、未だに体の痛みに苦悩していた。
基本この国の女性は武闘派が多いのだ。
貴族令嬢の例外ではない。
ブーケを欲した女性の中には女性騎士で中年の年頃もいたのでまるで獲物に食らいつく獣のようでトラウマになった。
「最初から逃げればよかったんだ」
「逃げらるか!」
結局ブーケは激戦の末にローゼマリーがが手に入れたのだが、一番最初に手にしたのがルクスだったのでジンクスは無効だと言われ、恨まれてしまったのだ。
「まったく、イベントを台無しにするとは」
「おい、何で俺が責められるんだよ」
本人らすれば被害者なのに、何故ここまで言われなくてはならないのかとぶつくさ文句を言う。
「まぁいい。お前の首輪は私がしっかり繋いでやる」
「は?」
ガシャンと音がした。
よく見ると従魔を従える首輪だった。
「最新作だ。どうだ」
「いやいや、何やってんだよ」
「来年はお前と私がゴールインだ」
「待て待て、何で俺がお前とゴールインなんだ!説明しろ」
本気で嫌がるルクスだったがニヤリと笑うローゼマリー。
「何を言うか。お前と私は既に運命共同体だ。ここまできのだから夫婦になるに決まってるだろう」
「決まってねぇよ。冗談じゃねぇ!」
決してローゼマリーが嫌いというわけじゃない。
だが恋愛感情を持っていないのだ。
それ以上に、ローゼマリーと結婚したら命の危険があるのだ。
「諦めろ。私はより強い子が欲しい。殺しても死なないしぶとい生命力のある子が…しぶといと言えばルクスだ」
「可愛いと言えば私みたいな言い方するな!」
「大丈夫だ。私に惚れさせてやる」
「俺がお前に惚れる可能性はない!」
「その可能性をぶっ壊してやる」
まるで話が通じない。
泣きそうな表情になりながら助けを求めるのだが…
「まぁ、いいんじゃないか」
「頑張ってルクス」
エリオルとソフィアは視線を逸らせそのまま逃げていく。
「薄情者ぉぉぉ!」
もはや逃げ場はなく、ローゼマリーに捕まり求婚されてしまうのだった。
拒否を示すのだが、後に二人は正式に婚約を果たすことになりなんだかんだで良きパートナに―なるのは数年後の話だった。
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