聖女な義妹に恋する婚約者の為に身を引いたら大賢者の花嫁になりました。今更婚約破棄を破棄にはできません!

ユウ

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第二章

54すべての清算

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クレミア公爵家の処遇が決まった。
領地財産をすべて没収された後にクレミア公爵家とその一族は流罪になった。


親族も貴族派と一緒にあくどい商売に手を染めていたので同情の余地はない。
今回の被害者だと思われたクレミア公爵も実は無関係ではなく、前公爵夫人を暗殺を企てていたのだ。

ただし自分の手を汚すことなく。
その罪は重く永久労働を命じられ一生自由はなく、東部で一番厳しい山地で死ぬまで出ることはできない。


最も重い罪を犯したあの二人はというと。



「北の辺境伯爵が引き受けてくださった?」

「ああ、あの夫人は既に精神を病んでいた。バーバラも廃人同然だ…牢屋で二人が暴れていたと聞いたが」


現在すべての後始末が終わった報告を受けていたソフィアはようやくすべてが片付き安堵したが、あの二人の監視だった。

あまりにも罪を重ね過ぎた上に、精神的に病んでいる状態なので通常の修道院に置くことは危険だ。
療養所でも、いつ暴れだすか解らないからだ。

そこで最初に名乗りを上げてうれたのがかねてよりソフィアと懇意にしている辺境伯爵家の一人だ。



「北の辺境伯爵家は数多の罪人を更生させている。中には永久労働を命じられた者を管理しているからな」

「なんだか厄介ごとを押し付ける形になったわね」

「いいんじゃないか」

「もう…」

エリオルは生半可な罰ではあの二人の罪を償えないと思った。
他の領地では生易しいし、流罪といえど島の住民は基本心が温かく受け入れ態勢があるので本当の意味であの二人に罪を償わせるには厳しい環境が必要だった。

環境だけでなく監視できる人間も必要になる。

「奥方が鬼の教官と呼ばれる士官学校の教官だ」

「うわぁー…」

もうあの二人の行く末は決まったようなものだった。

「自業自得だ」

「まぁ・・ね」

これまであの二人の欲望の犠牲になった人たちの事を思えば同情の余地がない。


「だが唯一良かったのはあの馬鹿親子を餌に貴族派を潰せたことかな」

「そうね」

かなりてこずってしまったが、このことを考えると悪い事ばかりというわけではなかった。


「これでちゃんと迎えられる」

「エリオル」

「俺の奥さんになってください」

そっと手を差し伸べられソフィアは嬉しそうに微笑んだ。

ずっとこの日を待ち続けていたにだから。


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