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第二章
52元公爵令嬢の罪
しおりを挟むクレミア公爵家は取り潰しとなり、領地は勿論の事だが財産はすべて取り上げとなった。
罪を犯した公爵夫人は長い尋問の末に罪に殺人罪の他の数多の罪が着せられる。
そしてその罪は娘のバーバラも同様だ。
尋問部屋においては。
「義姉を毒殺した実行犯として、貴女を殺人罪として再逮捕とする」
「なっ…何でよ!私は殺してないわ」
「飲ませたのは母君でも、毒を用意したのは貴女です」
尋問部屋にてバーバラは罪状を告げられていた。
「これまで義姉に陰湿な嫌がらせに私物を盗んだりされていたようですね」
「あれは貰ったのよ」
「当時公爵家のお邸で働いていた侍女の証言もあります。貴女達がしていたことを事細かなに話してくださいましたよ」
「嘘よ!そんなの証拠にはならないわ」
「それがあるんですよ」
当時、バーバラは義姉が邪魔だった。
公爵家の血筋を持っているわけではないので公爵家を継ぐためにも義姉が邪魔だった。
部屋から出られないようにしたり、料理に毒に近しい者をませたり。
食べられない食事を用意させたりと悪意を持っていたのは明らかだった。
「義姉がアレルギーであるのを知りながら公の場でその食べ物を食べさせたのも殺意を感じます」
「知らなかったのよ」
「普段から口にしないことは明らかです。こちらもお茶会に参加したご令嬢から証言をいただいております」
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ただし当時の記録があるなたば話は変わってくる。
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「は?」
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「我が国では死刑は禁じられていますが、その罪は軽くないと覚悟しておいてください」
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「これで終わりとします」
「承知しました」
看守がバーバラの腕を掴み、椅子から立たせようとするも。
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「暴れるな!」
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