聖女な義妹に恋する婚約者の為に身を引いたら大賢者の花嫁になりました。今更婚約破棄を破棄にはできません!

ユウ

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第二章

26嘆きの侍女⑤

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王宮でもソフィアの評判は良かった。
一部では偽善者だとか、人気取りだとかいう輩は多かった。

しかしその噂をする者は王家に敵対する派閥のほとんどか、もしくはエリオルの婚約者の座を欲しがっている貴族によるものだ。


心から王家に尽くし使える騎士団や近衛騎士達はソフィアを慕っていた。
控えめで、聡明な姫だと瞬く間に騎士団の人気を集め、中立側の辺境伯爵達からも礼を尽くされるほどだ。


バーバラの態度が傲慢であればある程ソフィアの評価は鰻登りになり逆効果だった。


ある時だった。
ソフィアに嫌がらせをするのに耐え切れなくなった侍女の一人が言い出したのだ。


「もう無理です。できません」

「は?」

今日もバーバラに嫌がらせを指示されたのだが断ったのだ。


「私ももうお嬢様の命令に従えません。あのような優しい姫様を」

「私もです。こんなの人間のすることじゃありません」

年若い侍女は口々に言う。
そんなことを言えばどうなるかなんてわかっているはずなのに二人の幼い侍女はずっと苦しんでいた。
そして今からでも償いたいと言うも。


「今更そんなことを言ってどうなるの?王族に嫌がらせをした時点でお前達は不敬罪よ…お前達の家族も死刑よ」

「死刑…でも!」

「私が言えばお前達の家族は全員火炙りになるわ。例え生き残っても永遠に責められ国中から悪意の視線を受けるわね?まぁ嫌がらせがお前達の独断…私は関係ないわ」

「そんな!」

あくまで侍女の独断で行った事を公にしてバーバラは無関係を主張すると告げる。
貴族と平民ん言葉を信じるかなど簡単だ。

後は権力を使い、侍女達が世間から糾弾されるようい仕向ければ後は簡単だ。


「止めてください…」

「母は病気で!」

「だから?」

バーバラにとって顔も見たことがない侍女の母親が死のうがどうでもいい。

「だったらお前達の母親が大勢の悪意をむくようにしてやるわ!死んだ方がマシだと思うようにね」

鬼畜外道な真似をするバーバラは笑っていた。
二人は恐ろしさのあまり震えていたのだ。


(馬鹿な女達…想像できたはずなのに)

バーバラがどれだけ陰湿な性格が解っていたはずだ。
自分達が罪を被ればはい終わりだなんてありえないのだから。

一番恐ろしい方法で仕返しをされることを想像できなかった侍女達を哀れに思うが同情はしなかった。


所詮この世は弱肉強食なのだから。

そんな最中だった。


「どうしましたの?」

控えめに声をかけたのはソフィアだった。


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