聖女な義妹に恋する婚約者の為に身を引いたら大賢者の花嫁になりました。今更婚約破棄を破棄にはできません!

ユウ

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第二章

1隣国へ

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太陽の光が反射して輝く海。
まるで宝石のように美しく、海は透き通るようだった。

「わぁー、すごく綺麗」

「この海は我が国でも自慢の海だ。ここで真珠や珊瑚を取り特産物と知っている」


馬車の窓から絶景を見渡す一同

特に国から出ることはなかったソフィアはわくわくしていた。


「ここから先にあるのが王宮だ」

「王宮の周りの宮殿は」

「ああ、中心になる王宮が獅子宮とよばれている。主に執務に使われているんだ」

「俺達も執務に使ってはいるが、大賢者であるエリオルは本来あまり出入りしないんだがな」

「そうなの?」

ルクスがげんなりした表情で言う。
何故なら活発なローゼマリーは執務、特に事務作業が苦手だった。

交渉などの場にもルクスや他の補佐がフォローしているからだ。
戦闘時には頼もしいのだが、次期王としても少し政治的な演出も覚えて欲しいのだ。


「笑っていられるのも今のうちだぞ」

「言うなルクス。俺に新婚生活を犠牲にしろと?」

「はい?」

真っ青な表情をする二人が不穏な言葉を口にしたのでソフィアも笑顔を引きつらせる。


「何所の国にも王宮は魔の巣窟だ。まだこの国はマシだが…典型的なお嬢様というか…なぁ?」

「保守的な考えを持つ貴族令嬢はいないわけではない」

顔をそむける二人に首をかしげる。

「まったく情けない奴らめ」

「大丈夫でしょうか」

「案ずるな。私がすべて叩き潰してやる」

「「案ずるわ!」」


基本武力行使てこれまで生きて来たがソフィアは不安を感じた。


(今まで良く生きてこられたわね)


社交界では様々な思惑が交差するのだ。
どんなに身分が高くてもそこに悪意が加わればどうなるか解ったものではない。

(すごい強運の持ち主なのかしら?)

ローゼマリーはいい意味でも悪い意味でも裏表がなさすぎる。
清廉潔白と言えば聞こえがいいが、潔すぎる一面もあるので心配になる。


(私が心配するのも失礼なのだけど)

不安を拭いきれない。

同時に旅先では楽しい事ばかりだった。
特に緊張するソフィアをローゼマリーが解すように楽しい話をしてくれたのだ。


でも、その一方で――。


(私は隣国の伯爵令嬢に過ぎないのに大丈夫かしら?)


大戦の英雄であり軍の司令官を務めたエリオルの婚約者に相応しいか心配になる。


「どうしたんだ?」

「いえ、なんでもないわ」

顔を俯かせるソフィアを心配するエリオルに心の中で切り替えをする。


エリオルに心配をかけたくない一心で。


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