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83.転落人生~莉麻side①
しおりを挟む私は何もかも順風満杯だったはず。
なのに何処で狂ったのか解らないし、こんな仕打ちを行けるなんてありえない。
私の人生はバラ色のはずだった。
なのに、あの結婚式を境に私の環境は一変した。
「お祝儀はこれだけ…どうしてよ」
「仕方ないだろ。お前の友人が披露宴をめちゃくちゃにしたんだ。ほとんどの客は食事もせずに退席した。お祝儀を挙式費用に充てるつもりだったのに」
「はぁ?そんな貧乏くさい事を考えていたの?」
お祝儀なんてなくても両家の息子なんだからたかが500万ぐらい楽勝じゃない!
「大体、何だ。この見積書は…こんな高いなんて聞いてないぞ」
「別にこれぐらい普通でしょ?」
引っ越しに私は欲しい家具に服やスーツを尊重した。
婚約指輪と結婚指輪はオーダーメイドをしたけど、こんなのたいしたことがない。
「結婚費用は上乗せで一千万だ。これじゃあしばらくはローンだ」
「はぁ?それぐらいの甲斐性もない!」
一流企業に勤めて、車だって外車だからそれぐらい支払えるじゃない。
貧乏くさいわね!
「それより新婚旅行の準備は…」
「そんな金があるか」
「は?何言っているの」
結婚式を終えた後、新婚旅行はドバイに行く予定だった。
そこで10日間優雅に過ごすはずだったのに。
「行けるとしたら熱海だ」
「嫌よ!そんなのインスタに乗せられないじゃない!」
「ただでさえ、マンションを買うのにローンを組んだんだ。海外旅行なんて行けるか!」
「だったらローンを組めばいいでしょ?すぐに返せるんだし」
高給取りなのに、そんなせこい真似をしなくても良いじゃない。
「もういいわ」
「おい、何処に行くんだ」
「エステよ。エステ…気分悪いから」
「待て!」
気分展開にエステでゆっくりして、その後ホテルでランチをして買い物に行って切り替えよう。
そう思ったのに――。
「申し訳ございません。そちらの会員証はご利用できません」
「は?何でよ」
普段利用しているエステのプラチナカードは利用できなくなっていた。
「当店ではそのカードが更新できていないようで」
「じゃあすぐに更新を…」
「更新費用別途で10万かかります」
「いいわ」
あの人の財布からブラックカードを抜いて来たから問題ない。
「こちらのカードは使用できなくなっております。限度額が足りません」
「はぁ?じゃあ、これで」
もう一枚のカードを渡すもそれも無理だった。
「申し訳ございませんが…」
「もういいわ!」
本当に仕えないエステティシャンね!
サービスも悪すぎるわ!
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